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EDIとは?システム導入する
メリットや注意点を解説

取引先との商取引をデジタル化し、受発注業務の自動化・効率化を実現するEDIシステムについて、その種類や導入メリット、導入時の注意点について詳しく解説します。

取引先との商取引をデジタル化し、受発注業務の自動化・効率化を実現するEDIシステムは、さまざまな業界で導入が加速しています。業界ごとの標準化も進み、複数の取引先とのデータ送受信もスムーズに行えるようになりました。本記事では、EDIの種類や導入のメリット、導入する際に考慮したい注意点について確認します。また、インターネット回線を介してデータ送受信を行うWeb-EDIについても解説していきます。

EDIとは?

EDI(Electoronic Data Interchange:電子データ交換)とは、企業間の商取引で発生する契約書や発注書、納品書、請求書といった文書を、専用回線を用いて電子データとしてやり取りするシステムです。EDIを使用することで、お互いの販売管理システムに直接取引データを送受信することが可能となり、自社のシステムに手作業で入力したり、文書を印刷してFAXや郵送でやり取りしたりといった手間のかかる作業をなくし、自動化を推進できます。

EDIは1970年代に登場し、流通業界や製造業界をはじめ、業界ごとに標準化が進められました。テクノロジーが進化し、ビジネスにおけるIT活用が浸透した現在、各業界におけるEDIの重要度は増しており、他社との取引だけでなく、自社内(本社と店舗など)でのやり取りにも活用されるようになっています。EDIシステムを活用する際には、発注側・受注側それぞれで異なる販売管理システムを使用していても齟齬が起きないように、あらかじめルールを作成しておく必要があります。EDIには取引先ごとにルールやフォーマットを定める「個別EDI」や、業界向けのルールを標準化した「標準EDI」といった種類があり、自社に最適なルール設定が行えるEDIを選択することが重要です。

  • EDIの種類

    EDIには、利用するコードやフォーマットといったルール設定の仕組みによって「個別EDI」「標準EDI」「業界VAN」という3つの種類に分類されます。個別EDIは、その名のとおり取引先ごとにルールを策定していきます。細かなルール設定が行える反面、取引先ごとにEDIシステムを構築する必要があり、複数の取引先のやり取りには向きません。一方、標準EDIはフォーマットやデータ形式、識別コードといったルールが第三者機関によって標準化されたもので、複数の取引先と電子データをやり取りしたい場合に利用されます。そして、標準EDIのなかでも、特定の業界に特化したネットワークサービスを利用するものが業界VANです。同じ業界との取引が多い場合には非常に有効なEDIとなります。

  • EOSとは?

    受発注業務に関連するシステムとして、EDIと混同されやすいのがEOS(Electronic Ordering System:電子発注システム)です。こちらは主に小売業や卸売業の発注業務に使われるもので、タブレット端末などを用いてネットワーク経由で発注情報をやり取りします。EOSはEDIの仕組みが一部利用されており、発注業務の自動化を実現。EDIと同様に、手作業による人的ミスや業務負荷を低減することができます。EDIとまったく異なるシステムというわけではなく、受発注の仕組みを取り入れた、EDIシステムの一種と考えておくとよいでしょう。

  • BtoB-ECとは

    EC上で企業間(BtoB)の商取引を完結させる仕組みが「BtoB-EC」です。取引先ごとに表示する商品を買えたり、商品価格を設定したりできるなど、一般のECサイトと比べて柔軟な運用が可能です。EDIとは商取引をデジタル化するという共通点がありますが、ECサイトを利用するBtoB-ECでは、CRM(顧客関係管理)的な使い方や、取引先とのコミュニケーションツールとしても利用できます。

EDIシステムを導入するメリット

EDIシステムの導入によって得られるメリットは多岐にわたります。ここでは、コスト削減や業務効率化をはじめ、EDIの導入で得られる成果を確認していきます。

EDIシステムを導入するメリット
  • コストの削減

    企業間商取引をデジタル化するEDIシステムには、経費・人的コストの削減といった効果が見込めます。ペーパーレス化による用紙代の削減をはじめ、これまでの紙の書類を用いた業務で発生していたFAX、郵送コストも削減が可能です。さらに紙の書類を保存しておく場所に悩まされることもなくなります。
    また、人の手で行っていた作業を自動化できるため、人的リソースの軽減に加え、人的ミスによる損失も減らすことができます。このようにEDIシステムを導入すると、さまざまな領域でコスト・工数の削減が可能となります。

  • 業務効率の向上

    EDIシステムは、企業間取引をデジタル化するための仕組みで、業務効率化を主要な目的として開発されたものです。このため、導入すると受発注業務の大幅な効率化がはかれます。書類の作成をはじめ、FAX送信や郵送の手続き、各種チェック作業などが自動化できるなど、大きな時短効果を発揮します。負荷のかかる手作業をなくすことで、業務自体も迅速化・省力化でき、取引先とのスムーズなやり取りを実現できます。基幹システムとの連携に対応したEDIシステムならば、会計システム・販売管理システム内のデータを用いた処理も自動化が可能となります。

  • 内部統制の徹底に有用

    企業の業務の適正さを担保するための仕組みである「内部統制」を徹底させるためにもEDIシステムの導入は有用です。取引先からのデータは相互の合意のもとに標準化されたルールで送受信されるため、内部統制の4つの目的である「業務の有効性および効率性」「財務報告の信頼性」「事業活動に関わる法令等の順守」「資産の保全」のうち、「財務報告の信頼性」に必要な取引情報の信頼性を担保できるようになります。上場企業など内部統制の整備が求められている企業にとって、重要書類をデータ化して信頼性を高めるEDIシステムは効果的な解決策といえるでしょう。

    内部統制

より低コストで手軽な「Web-EDI」の普及

EDIは固定電話回線となるISDNを通じて、データをやり取りするという仕組みを採用しています。ところが昨今では、高速なインターネット回線が低コストで利用できるようになり、さらに2024年1月にISDNサービスが終了することが発表されるなど、ISDNを用いた今後のEDI活用が懸念される状況となってきました。

そこで登場したのが、インターネット回線を介してデータの送受信を行う新しいEDIシステム「Web-EDI」です。Web-EDIでは、Webサーバー上にシステムを構築し、Webブラウザの画面から受発注業が行えます。高速なインターネット回線を利用するため通信速度・コストの問題を解決し、スピーディかつ効率的なデータのやり取りが可能となります。

  • 「EDIシステム」と「Web-EDIシステム」の違い

    FAXや郵送などの手段で工数をかけて商取引を行ってきた企業に、EDIの導入は大きな変化をもたらしました。とはいえ、前述したとおり固定電話回線を利用する仕組みは速度・コスト面で課題があり、さらにPCに専用のソフトウェアをインストールする必要もあるなど、潤沢な予算を確保できない事業者にとっては導入のハードルが高いのも事実でした。

    しかしWeb-EDIには、こうした課題を解決するための要素が盛り込まれています。インターネット回線を利用した低コストで高速な通信を実現しているほか、Webブラウザに表示した画面から直感的な操作が行え、PCに専用ソフトウェアをインストールする必要もありません。低コストで手軽に導入できるデータ交換システムとして、Web-EDIの普及は着実に進んでいます。

  • 「Web-EDI」に移行する場合の注意点

    1970年代に世の中で登場したEDIは、技術の進化や市場の変化に合わせて進化し続けてきました。現在では流通・製造業界をはじめ業界ごとの標準化が進んでおり、標準EDIや業界VANを導入することで複数の取引先とスムーズなデータ交換が行えます。

    これに対し、新たに登場したWeb-EDIは標準化がされていないため、受注側・発注側の両者がWeb-EDIを導入する必要があります。このためWeb-EDIを導入する際には、取引企業ごとに連携可能か仕様を確認しておくことが重要です。

EDIシステムを導入する際の注意点

商取引業務の効率化を支援し、企業のデジタル化を推進してくれるEDIですが、通信に利用しているISDNサービスの終了など、導入にあたって考慮しておきたいポイントを確認しておきましょう。

  • ISDNサービス提供が終了することを考慮する

    長らくEDIの通信インフラとして利用されてきた固定電話回線のISDNは、2024年1月でのサービス終了(地域ごとに段階的にサービス終了)が決まっています。このため、EDIシステムにおいても通信インフラをインターネット回線(IP網)に移行していく動きが加速することが予想されます。このため、インターネット回線を介してデータのやり取りが行えるWeb-EDIの採用は有効な選択肢となるでしょう。

  • 自社システムの連携確認

    EDIシステムでは、販売管理システムなど自社と取引先の基幹システムを通してデータをやり取りする仕組みを採用しています。導入を検討する際には、自社の基幹システムとの連携を確認したうえで、取引先ごとにとルールを策定する個別EDIや、統一化されたルールを活用できる標準EDIなどから最適な種類を選択するのが効果的です。

    システムの連携確認

    Web-EDIの場合も同様で、自社の販売管理システムと連携できるかどうか確認せずに導入した場合、既存システムの大規模改修やリプレースが必要になることもあります。EDIと基幹システムの連携に問題があると業務の自動化が妨げられ、EDI導入の効果を十分に享受できなくなってしまうため、連携確認はしっかり行いましょう。

  • 取引先とのデータ連携確認

    自社システムとのデータ連携だけでなく、取引先とのデータ送受信環境を整備しておくことも重要です。取引先と確実にデータの送受信を行うためには、あらかじめ通信プロトコル・フォーマット・コード・導入スケジュールなど決めておき、発注側・受注側の基幹システム同士でデータを連携する仕組みを構築しておく必要があります。EDIで使われる通信プロトコルには、流通業・小売業で利用されている「JCA手順」や銀行間でのデータのやり取りに使われる「全銀協標準通信プロトコル」などがあります。またWeb-EDIでも、さまざまなプロトコルが採用されています。

日立ソリューションズ西日本 製品担当者からコメント

日立ソリューションズ西日本 製品担当者アイコン

「Hi-PerBT ウェブ購買」は、Web-EDIパッケージとして販売をしています。
「個別EDI」のカテゴリーとなります。メリットとしては、ご利用中の基幹システムの仕様を変更せずに、業務に合わせた運用が可能な機能を実装している点となります。導入のしやすさ、導入後の効果が十分に期待できる製品として導入検討していただければと考えています。

日立ソリューションズ西日本のWeb-EDI
「Hi-PerBT ウェブ購買」の機能紹介

「Hi-PerBT ウェブ購買」の利用画面

日立ソリューションズ西日本が提供する「Hi-PerBT ウェブ購買」は、企業の調達プロセスを効率化するWeb-EDIパッケージです。見積・発注業務に必要な機能を標準実装しており、購買業務に寄り添った機能が充実しています。また、使いやすいインターフェースも特長のひとつです。ユーザーが直観的に操作できるUIデザインを採用しており、誰でも簡単に利用することが可能です。加えて、ERPパッケージ、会計パッケージといったシステム連携にも対応でき、拡張性にも優れています。さらに、発注情報の承認機能もオプションとして用意されており、内部統制強化のサポートにも役立ちます。

日立ソリューションズ西日本 製品担当者からのオススメ!

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EDIを導入する場合は、電子取引となるので、電子帳簿保存法への対応の検討が必須となります。また、インボイス制度への対応も重要な課題となります。「Hi-PerBT ウェブ購買」では、これらの法改正に対応した機能を提供しておりますので、これから導入を検討されておりますお客さまは、ぜひ参考にしていただければと思います。

EDIシステムやWeb-EDIを導入し、
取引先とのスピーディな受発注処理を実現

標準化が進み、複数の取引先との商取引をデータでやり取りできるEDIシステムは、受発注業務の効率化をはかりたい企業にとって見逃せない選択肢となります。より低コストで導入・運用しやすいWeb-EDIも含めて、自社に最適なEDIを導入すれば、データドリブンな経営を実践し、ビジネスの拡大をはかれるはずです。