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Web-EDIとは?EDIとの違いから
メリット・注意点まで解説

「Web-EDI」と「EDI」の違いとは?低コストで導入でき、運用も容易なWeb-EDIの特長と導入メリットについて、導入事例も交えて詳しく解説します。

受発注業務の自動化・効率化を実現するEDIは、円滑な企業間取引をサポートしてくれる一方、コストや運用負荷がかかるという課題も抱えており、導入をためらう企業も少なくありません。そこで注目されているのが、低コストで導入でき、運用も容易な「Web-EDI」です。本記事では、インターネット回線を介してWebブラウザの画面で操作できるWeb-EDIの特長と導入メリットについて解説します。

Web-EDIとは?

Web-EDI(Electoronic Data Interchange:電子データ交換)とは、企業間の電子商取引を実現するための方式の1つです。企業間におけるビジネス文書、例えば、見積書、発注書、請求書などのやり取りはFAXや郵送が主な手段でしたが、取引先ごとに人的な作業が発生するなど業務効率の面で課題を抱えていました。そこで登場したのが、Webブラウザなどのデジタル技術を用いて、インターネットを介して受発注などの商取引業務を行うWeb-EDIの仕組みです。

Webサーバー上にシステムを構築し、ブラウザ上に表示した伝票イメージの画面で操作を行う「ブラウザ型」と、サーバーを介してファイル形式でデータをやり取りする「ファイル転送型」の2種類があり、商取引業務の効率化やペーパーレス化を推進してくれます。

  • EDIとの違い

    EDIの歴史は古く、その始まりは1970年代にまで遡ります。従来のEDIは、ISDNなど一般の電話回線を通じてデータをやり取りしていたため、通信速度・コストの面で課題を抱えていました。またPCに専用のソフトウェアをインストールする必要があり、導入・運用(ソフトウェアのアップデートなど)に手間がかかることも問題となっていました。

    こうした課題を解決し、小規模事業者でも導入しやすくしたのがWeb-EDIです。インターネット回線を利用し、Webブラウザを介してデータのやり取りを行うことが可能です。Webサーバー上にシステムが構築されているため、PCに専用ソフトウェアをインストールする必要もありません。このように、Web-EDIは低コストで手軽に導入できるデータ交換システムとして普及が進んでいます。

  • Web-EDIの種類

    先に述べたとおり、Web-EDIにはブラウザ型とファイル転送型という2つの種類が存在します。ブラウザ型は「伝票表示型」とも呼ばれ、取引で使われる紙の伝票のイメージをそのまま画面に取り込んだような形で表示できます。Webブラウザに表示された伝票画面から注文内容の確認や発注情報の入力が行えるため、PCの操作に慣れていないユーザーでも直感的に操作が行えるのが特長です。

    もう一方のファイル転送型は、サーバーを介して文書データのやり取りを行う、一般的なPCのオペレーションに近い形の仕組みを採用しています。発注側が注文書ファイルをサーバーにアップロードし、受注側がダウンロードするといった流れで取引が進められます。

Web-EDIの特長

Web-EDIは、従来のEDIが抱えていた課題を解決するシステムとして開発されました。インターネット回線を利用していること、専用ソフトが不要で手軽に導入できることが特長となります。

Web-EDIの特長
  • インターネット回線を利用している

    インターネット回線を用いて企業間の商取引を自動化・効率化できることは、Web-EDIの大きな特長といえます。アナログ回線やISDNなど一般電話回線を利用していた従来のEDIと比べ、大容量のデータをスムーズに処理できるため、受発注業務のスピードアップがはかれます。

    通信コストの削減という面においても、通信時間に応じて費用がかかる一般電話回線から、ベストエフォート型でコストと速度のバランスに優れたプランも選べるインターネット回線へのシフトは大きな効果が見込めます。処理の遅さや通信コストの増大といった理由でEDIの利用を諦めていた企業にとって、Web-EDIは導入を検討する価値の高いシステムといえるでしょう。

  • 手軽に導入でき、操作方法も容易

    Web-EDIは従来のEDIと比べて、低コストかつ時間や手間をかけずに導入することができます。このため、従来のEDIを利用している企業が乗り換えを検討するケースも少なくありません。また先述の通り、インターネット回線を利用していることで通信コストも抑えられます。ブラウザ型ならば、Webブラウザの画面上で直感的に操作できるため、ITスキルに自信がないユーザーでも容易に利用が可能です。PCを使った事務処理に慣れているのならば、ファイル転送型のWeb-EDIでも戸惑うことなく作業できるはずです。

Web-EDIのメリット

受発注業務のペーパーレス化をはじめ、業務効率化・コスト削減などWeb-EDIの導入メリットは多岐にわたります。ここでは3つのメリットについて確認していきます。

  • 受発注業務のペーパーレス化

    これまでコストの問題でEDIを導入していない取引先とは、FAXや郵送といった手段を用いて紙の書類でやり取りを行うのが一般的でした。書類が届いているかも電話で確認しないとわからないケースが多く、受発注業務にかかる負荷は軽くありませんでした。低コストで容易に導入可能なWeb-EDIを活用すれば、見積書や、発注書、請求書などの受発注業務を、データを使って行えるようになり、ペーパーレス化と業務の自動化を実現できます。書類を紛失するリスクもなくなり、電話による確認作業も不要になるなど、さまざまなメリットが得られます。

  • 業務効率アップとコスト削減

    Web-EDIの導入を検討する企業が期待しているのは、業務の自動化・効率化と、それに伴うさまざまなコストの削減です。受発注業務のペーパーレス化が実現すれば、FAXや紙の経費が削減できるほか、書類の保管場所を確保する必要もなくなるなど、多くのコスト削減効果が見込めます。実際、見積書・発注書・請求書といった取引ごとに作成される書類をすべて保管しておくための費用と手間は見逃せないものがあります。電子帳簿保存法改正への対応という意味でも、Web-EDIを導入する価値はあるはずです。また、業務効率の向上は、受発注業務にかかるリソースの削減にもつながるため、人的コストを抑えられるといったメリットも享受できます。

    業務効率アップ
  • 導入や運用が容易で低コスト

    Web-EDIは、Webブラウザを介して必要なデータのやりとりが可能なため、EDIよりも低コストで導入することができます。そのため、Web-EDIはEDIに比べて、中小企業でも容易に導入することが可能です。また、システムの導入が簡単で、システムの保守や運用に必要なコストが低いというメリットもあります。さらにWebブラウザの画面上で直感的に操作できるため、利用者は使用トレーニングを重ねる必要もありません。パソコンやスマートフォンを使い慣れた人であれば、簡単に利用することができるでしょう。

Web-EDIを導入する場合の注意点

Web-EDIを導入することで企業は多くのメリットが得られますが、導入にあたっては注意しておくべきポイントもあります。

  • 標準化に課題がある

    従来のEDIでは、流通・金融業界や製造業界を皮切りに、業界ごとにEDIの標準化が加速しました。1990年代には、電子機器業界と日本情報処理開発協会が策定した製造業向けの「EIAJ-EDI 標準」が拡張され、日本国内におけるEDI標準となっています。これに対してWeb-EDIは標準化がされておらず、受注側・発注側の両者でWeb-EDIを導入する必要があります。受注先ごとにWeb-EDIの使用やフォーマットが異なるケースも出てくるため、導入により業務の効率が下がってしまうことも考えられます。

    このため、Web-EDIを導入する際には、取引企業ごとに連携可能か仕様を確認しておく必要があります。業界によっては、Web-EDIガイドラインが策定されている場合もあるので確認しておきましょう。

  • 自社システムとの連携を考慮する

    Web-EDIを選定にあたっては、自社の基幹システムとデータ連携が行えるかどうかも確認しておく必要があります。基幹システムにWeb-EDIのデータを自動取り込みできることがベターです。システム間の連携に難がある際には、手動でデータを再入力する必要性が生じるケースもあり、これでは抜け漏れや入力ミスなどを助長してしまいます。効率化するために導入したWeb-EDIが、業務の煩雑化を招いてしまうといった事態を避けるためにも、基幹システムを運用している企業がWeb-EDIの導入を検討する際には、データ連携のチェックを怠らないことが大切です。

    システムとの連携を考慮
  • セキュリティを考慮する

    インターネットを介して企業間の商取引データをやり取りするWeb-EDIでは、セキュリティの担保も不可欠です。最低限のセキュリティレベルを担保するため、HTTPS通信を利用してデータの暗号化はもちろん、ログインID・パスワードに関するルール(簡単に類推できない複雑さや、定期的なパスワード変更など)をはじめとしたセキュリティポリシーの策定も必要となります。加えて、アカウントごとのアクセス権限設定も重要です。また、実際に運用を開始する前には、第三者機関による脆弱性診断を実施しておくと安心です。さらに、利用するPCのOSやソフトウェアを最新のバージョンに保っておくことも忘れないようにしましょう。

日立ソリューションズ西日本 製品担当者からのオススメ!

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購買プロセスを標準でサポートする調達向けのWeb-EDIパッケージ「Hi-PerBT ウェブ購買」は、調達部門の業務を効率化します。サプライヤーとの見積、注文、検収といった購買処理を効率化する機能を実装しているほか、ERPパッケージ、会計パッケージ、スクラッチ開発のシステムとの連携にも対応しています。すべての機能はWebブラウザの画面上で利用することができ、直感的なUIデザインの採用によって快適な操作を実現しています。柔軟なカスタマイズが行えるほか、電子帳票保存のオプション機能も用意されています。

「日立ソリューションズ西日本のWeb-EDI
「Hi-PerBT ウェブ購買」の導入事例

「バウハウス丸栄」様は、商業空間の企画・設計・施工のプロフェッショナルとして、年間5,000件以上の商業空間をプロデュースされています。そんな同社が課題として抱えていたのが、年間数万件に上る見積書や注文書のやりとりにおける業務の煩雑さでした。この過程で発生するアナログな作業をシステムによって効率化できないかと考え「Hi-PerBTウェブ購買」を採用されました。

説明をせずとも誰もが使える操作性に加え、社内の基幹システムともスムーズな連携が可能だったこと、そして導入におけるコストパフォーマンスの高さが導入の決め手となりました。

「Hi-PerBTウェブ購買」の利用画面

導入後、バウハウス丸栄様の協力会社様からは受発注業務が「早くなった」「ラクになった」と効率化を実感する声が届いているとのことです。また、受発注における書類の承認フローが紙からシステムに移行したことで、内部統制の強化にも成功されました。現在は「電子帳簿保存法」が改正に対応した運用も実現しておられます。

導入事例「バウハウス丸栄」様

企業間の電子商取引を加速させる
Web-EDIを導入し、業務の効率化を

EDIより低コストで手軽に導入できるWeb-EDIは、コストや運用面でEDIの導入をためらっていた中小企業にとって非常に有益なソリューションとなります。取引企業との同意形成や自社基幹システムとのデータ連携、セキュリティ強化といった準備を行い、最適なWeb-EDIシステムを選定すれば、多くのメリットが得られるはずです。

日立ソリューションズ西日本 製品担当者からコメント

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近年は、クラウドサーバーを利用されるケースが多くなってきております。
クラウドサーバーの活用によって、Web-EDI導入のハードルは下がってきています。大幅な業務の効率化、テレワークへの対応、ニーズに即した業務スピードアップなど、さまざまな効果のあるWeb-EDIをぜひ検討されてはいかがでしょうか。