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在庫管理システムとは?
システムのタイプと比較・選び方!おすすめシステムも
在庫管理に負担を感じている方向けに在庫管理システムをご紹介します。
在庫管理システムを利用するメリットや活用の効率を高めるポイントを解説しているので、在庫管理業務の負担軽減をめざしている方やシステム導入を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
製造業において在庫管理は、企業の資産を適切に管理するための重要な業務の一つです。かんばん方式のように在庫を持たない生産の仕組みもありますが、大体の企業は適正在庫を所持して管理しているのが一般的でしょう。そんな在庫管理では、毎月の棚卸業務などに手間を感じ、ずれが生じるたびに嫌な思いをしている企業も少なくないのではないでしょうか?
本記事では、在庫管理に負担を感じている方向けに在庫管理システムをご紹介します。在庫管理システムを利用するメリットや活用の効率を高めるポイントを解説しているので、在庫管理業務の負担軽減をめざしている方やシステム導入を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
在庫管理システムとは?
在庫管理システムとは、企業内に存在する在庫の数量や製造日、保管限度期間の把握といった在庫管理業務を効率化するシステムです。そもそも在庫管理業務は、在庫の数量を把握するだけではなく製品に使用した原料の情報や、製品の使用可能期限などさまざまな情報を管理するため、イメージしている以上に業務量があります。
そのため、毎月の棚卸の時期はもちろんのこと、それ以外の時期においても在庫管理の業務は多忙になりやすい傾向にあります。その結果、在庫管理を怠ってしまうと、企業の資産の把握に影響する事態にまで発展したりもするでしょう。
そういった事態を防ぐのに効果的なのが、在庫管理システムの導入です。在庫管理システムはさまざまなリスクを軽減するのにも活躍しますし、業務を効率化することにも役立ちます。
在庫管理システムが持つ機能
前述したように、在庫管理業務はイメージしている以上に業務量が多いです。それ故に、在庫管理システムには多くの業務量をカバーできるだけの機能が備わっています。どういった機能が備わっているのかを以下で確認して、自社の抱える課題にマッチするかを判断してみてください。
機能名 | 詳細 |
---|---|
在庫管理一覧表構築機能 | 在庫品の情報を一覧で表示する機能。すべての在庫を同ページで管理できるため、効率よく在庫品の把握ができます。 |
入出庫管理機能 | 在庫品が増えたり減ったりする際の数量を管理する機能。この機能とリンクして一覧表が変動します。 |
返品管理機能 | 出荷した製品が戻ってきた際、その数量を管理する機能。製造による在庫品なのか、返品による在庫品なのかを把握するのに役立ちます。 |
分析機能 | 在庫品の過去の動きをもとに、在庫品の動きを予測したり、在庫品に関するアドバイスをくれたりする機能。まだ残しておいた方が良い、廃棄した方が良い、などのアドバイスをくれたりします。 |
検品管理機能 | 実際に存在する在庫とシステム上で表記している在庫数に相違が無いかを確認する機能。バーコードなどを利用して確認するため、付属部品などが必要になります。棚卸に利用されたりもします。 |
在庫管理システムのタイプとタイプ別比較
在庫管理システムのタイプとして、以下のようなタイプが挙げられる。
- 業種を問わないタイプ
- 販売管理システムの一部機能のタイプ
- 製造業向けタイプ
- ECサイト・通販・小売業向けタイプ
- 必要最小限の機能タイプ
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業種を問わないタイプ
入庫、出庫、検品から請求管理までさまざまな機能を網羅しており、幅広い業務に対応できるタイプです。システムの拡張性も高く、機能追加をしたい場合もカスタマイズして使用することができ、物流会社など幅広いシチュエーションで活用できます。
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販売管理システムの一部機能のタイプ
販売管理システムの一部機能として在庫管理の機能をもつタイプになります。販売管理や購買管理の機能があるため、販売状況や発注状況などを在庫管理と連携して、基幹業務のデータを一元管理するため効率的な在庫管理が行えます。
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製造業向けタイプ
製品の在庫管理だけでなく、製造の材料や備品などの在庫管理もできるタイプになります。場合によっては、原価管理や進捗管理などができるシステムもあり、製造業のさまざまな業務をカバーしています。
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ECサイト・通販・小売業向けタイプ
ECサイトや通販サイトと在庫情報が連携しており、在庫状況がリアルタイムに反映されるため、受注から出荷までをスピーディーに行えます。商品の入れ替わりが多かったり、商品数が多い場合に向いています。
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必要最小限の機能タイプ
入出庫管理や在庫照会の最低限の機能を備えているタイプになります。複雑な機能は求めず最低限必要な機能を利用したい場合に向いており、コストを抑えて利用したいなどの小規模ユーザー向けになります。
在庫管理システムを導入するメリット
在庫管理システムには豊富な機能があり、利用することで得られるメリットが多くあります。以下では5つのメリットをピックアップしたので、自社に導入する魅力があるかを判断してみてください。もし、魅力が感じられない場合は、既存の在庫管理方法でも事足りている可能性があるので、そのことも踏まえてメリットの内容を確認してみましょう。
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在庫管理システムを導入するメリット
- 業務効率化・コスト削減
- 余剰在庫の削減
- 欠品による機会損失の防止
- 在庫把握のミスによる誤発注の防止
- 生産性向上・利益率の増加
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業務効率化・コスト削減
管理業務をシステム化することにより、既存の業務を効率化できます。基本、業務システムというのは業務を効率化するために開発されているので、導入して効率が悪くなるということは殆どありません。強いて言うなら、システムを利用すること自体に担当者が拒絶反応を示している場合は効率が悪くなる可能性があります。
また、業務が効率化すればコストの削減も期待できます。例えば、業務効率化によって負担が減れば、必要となる人材も少なくできるため人件費の削減につながります。年々上がる最低賃金に負担を感じている企業にとって、将来を見据えた投資は確実に必要となるので、生産管理システムのような人件費削減につながるシステムの導入は積極的に検討することをおすすめします。
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余剰在庫の削減
在庫管理システムを利用すれば、全ての製品の在庫量を可視化できます。これにより、適正在庫をオーバーしていないかをきっちりと管理することができるでしょう。
余剰在庫は企業にとって負の資産と言われることもあるくらいなので、できる限り保持しない方が良い在庫です。そのため、システムを導入して在庫管理の質を高め、余剰在庫は持たないように努めましょう。
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欠品による機会損失の防止
前述の「余剰在庫の削減」では、過度に在庫品を持ちすぎない方が良いことを説明しました。ですが、逆に在庫を持ちすぎないというのもあまり好ましくありません。製品の注文数というのはあくまでも需要に対する見込み数でしかないので、需要が高まれば急に製品が必要になることもよくあります。こういった時に在庫品が無ければ、需要のある顧客に対して製品を供給することができずに機会損失を招いてしまうでしょう。
機会損失は長い目で見ると大きな損失になる可能性があるため、そういった事態を招かないためにも適正在庫を持っておくことが重要になります。在庫管理システムを利用すれば、適正在庫を持ち続けられるように管理することが可能です。
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在庫把握のミスによる誤発注の防止
在庫管理ができていない企業の場合、製品があるのにも関わらず追加で発注してしまうというミスが多発しやすいです。不要な製品を注文した場合、入荷した製品は全て赤字分として計上することになるため、企業に損失を招いてしまうでしょう。
以上のような事態を防ぐためには在庫管理システムが効果的です。在庫量を適切に管理できているシステムを利用していれば、製品を発注する前に必ず在庫量を確認する習慣がつくため、誤発注を防ぐことにつながります。
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生産性向上・利益率の増加
在庫管理システムによって在庫の量を把握できていれば、ムダな数量を製造することが無くなります。ムダな量を製造している時間は基本的に売上に直結しないため、余剰在庫を作れば作るほど生産性を低下させてしまうでしょう。
ムダな在庫を作らないように生産量の調整ができれば、その他の製品の製造予定も短縮できるため、結果として「売り上げの向上」と「ムダな製造コストの削減」が実現します。そうすると、自然に利益率の増加も期待でき、経営状況の健全化にも貢献するでしょう。
在庫管理システムのデメリット
ここまで在庫管理システムのメリットを解説してきましたが、一方でデメリットもあります。良い面が目立ちやすいシステムだからこそ、デメリットもしっかりと把握しておくことが大切です。デメリットを把握できていれば、本当にシステムを導入する価値があるのかを適切に判断することができるでしょう。
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在庫管理システムのデメリット
- 導入コストがかかる
- 十分な効果を発揮できない可能性がある
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導入コストがかかる
無料で入手できるシステムは基本的になく、導入するには一定のコストがかかります。クラウド型のシステムなら導入コストとしてではなく、毎月の使用料としてランニングコストが発生することになります。オンプレミス型にせよクラウド型にせよ、一定のコストは見越しておく必要があるでしょう。
仮にコストを支払ったとしても、在庫管理を適正に行うことで、「ムダな在庫を排除できる」「生産性を高めて利益率の向上につなげられる」といったメリットがあるため、結果的にコストパフォーマンスの高い投資になれば問題はありません。ですので、導入する際は見込み成果を計算したうえで導入を検討してみましょう。
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十分な効果を発揮できない可能性がある
在庫管理システムはITツールであるため、電子機器の使用に慣れていない方や、新しいものを受け入れる態勢が整っていない方だと、利用するのが難しい可能性があります。システムの能力を発揮するためには、指定された正しい利用方法を実行しないといけないため、導入に合わせて社内体制を整備する必要があるでしょう。
自社が新しいシステムを受け入れるだけの器量があるかを見定めて、導入の検討をしましょう。器量が無いと判断した場合は、システムを利用できる新たな人材を登用するか、ゼロから教育する期間を設けるといった工夫が必要になるでしょう。
在庫管理システムの活用効率を高めるポイント
在庫管理システムの導入を決めた方は、導入に伴って「活用効率を高めるポイント」を把握しておきましょう。普通に利用しても十分な効果は見込めますが、ポイントを押さえておくことでさらなる効果が見込めます。せっかく導入するのであれば、効果は最大限になるように努めた方が良いので、しっかりと以下の内容を把握しておきましょう。
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在庫管理システムの活用効率を高めるポイント
- 在庫の保管場所は固定しておく
- 製品のラベル仕様などを統一しておく
- バーコードと管理システムを連携
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在庫の保管場所は固定しておく
在庫管理の基本ではありますが、在庫を保管する場所は固定しておきましょう。保管場所が固定されていないと、棚卸業務の際の把握作業が大変になり、在庫品のバーコードを読み取るのにも時間がかかってしまいます。
システムで効率化できる部分とそうでない部分をしっかりと理解したうえで、上手にシステムを利用するのが賢い方法です。すべてをシステムに頼るのではなく、自身で効率化すべきところはサボらずに取り組むようにしましょう。
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製品のラベル仕様などを統一しておく
製品のラベルは統一性を意識して貼り付けるようにしましょう。ラベルの体裁がバラバラだと、在庫の把握をする担当者が困惑する可能性が高くなります。誰でも在庫品を確認できるように、ラベルのフォーマットは統一したり、客先ごとにラベルの色を変えたりして運用ルールを作っておくのがおすすめです。
仮にシステムを導入していなくても、上記のような運用ルールの設定は重要になってくるので、システム導入前から取り組んでみてはどうでしょうか。
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バーコードと管理システムを連携
在庫管理システムによっては、バーコードを利用した在庫管理ができます。バーコードをリーダーで読み込むだけで、システム内に情報を送り込むことができるため、在庫の把握に関する業務の負担を軽減することが可能です。そのため、導入前から製品の箱にバーコードを貼る位置などを決めておき、実際に導入したらすぐに活用できるようにしておきましょう。
最近はバーコードに代わってQRコードが普及してきているので、今後発売されるシステムの中にはスマホで読み込み作業が完了できるものもあるかもしれません。なので、導入システムを選ぶ際はなるべく新しいシステムの中から、簡単に取り扱えるものを探してみてください。
在庫管理システムで比較すべき項目と比較の仕方
在庫管理システムには多くの種類があります。数あるシステムの中から自社に最適なものを選ぶためには、しっかりとポイントを押さえておくことが重要です。以下の内容を参考に、導入するシステム選びで失敗しないように努めましょう。
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導入する在庫管理システムを選ぶ際のポイント
- 業務運用に柔軟に対応できる在庫管理システムか
- 常に製品が入れ替わる製造業において、在庫の移動は不規則なものが多いです。こういった不規則な事態にも柔軟に対応できるシステムでないと、利用を重ねていくごとに理論在庫と実在庫が乖離していきます。
- コスト
- いくら性能の良いシステムだとしても、コストが高すぎれば導入は難しくなるでしょう。また、自社にとって必要のない機能が豊富にあるシステムも、過剰コストになりやすいので気を付けてください。必要な機能とそれに見合ったコストのシステムを導入できるように、バランスを考えて決めましょう。
- 他システムと連携ができるか
- 在庫管理システムは、他のシステムと連携することによってさらに高い効果を発揮したりもします。例えば、販売管理システムなどと連携ができれば、より精度の高い製品管理ができるようになるでしょう。
まとめ
在庫管理システムとは、企業内に存在する在庫の数量や製造日、保管限度期間の把握といった在庫管理業務を効率化するシステムです。在庫管理システムを導入すれば、企業の負の資産ともいえる余剰在庫を失くし、在庫数を適正な量に維持することができるようになります。余剰在庫を減らし、必要な分だけを製造するような工程管理ができれば、結果的に無駄をなくし、利益率の向上につながるでしょう。
どれだけ稼働率が良い現場でも、在庫品が多ければ売り上げに直結しにくいものです。もし稼働率の割に利益が向上しない悩みがある場合には、ぜひ一度在庫管理システムの導入を検討してみてはいかがでしょうか。