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図面管理とは?
必要性やシステム活用メリットまで解説

図面管理の必要性と図面管理システムを導入するメリットについて、活用法を交えて具体的に解説します。また自社にマッチしたシステムを選定するためのポイントについても合わせて紹介します。

製造業や建設業などモノづくりに携わる企業にとって、図面の管理は業務効率化と生産性向上に直結する極めて重要なミッションといえます。紙の図面やCADデータ、Officeファイル、PDFなどさまざまなフォーマットの図面を一元管理できる「図面管理システム」を導入すれば、必要な図面にすばやくアクセスでき、活用しやすくなります。

本記事では、図面管理の必要性と図面管理システムを導入するメリットについて解説していきます。

図面管理とは?

図面管理とは、製品の設計図面や建設図面、技術資料など何らかの機能、構造を結果として表現した成果物(設計図)を一定のルールに従って管轄、取り仕切りを行うことです。

「少子高齢化による人材不足」や「人件費・原材料の高騰」といった課題が顕在化する現代において、製造業や建設業における設計業務の効率化は喫緊の課題です。増加を続ける図面や関連書類を整理し、いつでも引き出せる仕組みを構築しなければ、同じ図面を何枚も作成したり、古いバージョンの図面を使ってしまい設計ミスが生じたりする可能性が高くなってしまいます。また、建設業では建築士法により一定の図書を15年間保存する義務があり、製造業においても製造物責任(PL)法への対応で10年間におよぶ図面データの保存が妥当となっている背景から、各種法対応の側面からも図面管理は重要な役割を担います。

図面管理の具体的な方法

モノづくりの世界で競争力を維持するために不可欠な図面管理ですが、その方法はさまざまです。紙の図面をファイリングしたり、CADで作成した図面データを社内サーバーの共有フォルダに保管したりといったシンプルな方法もありますが、複数のユーザーが使うことやバージョン管理・検索性を考えると、紙の図面もデータ化し一元管理することが有効となります。スキャナなどを用いてPDFファイルやCADデータに変換し、図面の属性ごとにフォルダ分けすることが大切です。この際、ファイル名の付け方やフォルダのルール策定を考慮しておけば、より効率的な管理が行えます。

また、図面のデータは社内だけでなく、社外の関係者と共有するケースも多いため、安全に外部と図面データを共有できる仕組みも用意しておく必要があります。さらにハードウェアの障害や操作ミスなどで図面データが失われる状況を考慮し、バックアップ体制を構築することも重要です。

図面管理を行う上での課題やトラブル

先述の通り図面管理の方法は多岐にわたりますが、どの方法を選んでも注意すべきポイントがあります。設計ミスや非効率的な業務を避けるためにも、図面管理における課題を把握しておくことは欠かせません。ここからは、図面管理の“落とし穴”となり得る課題やトラブルについて確認していきます。

図面管理を行う上での課題やトラブル

図面の紛失や同様な図面の多重製図

紙の図面をファイリングするという方法で図面管理を行う場合には、図面の紛失に注意しましょう。誰かが持ち出して図面の行方がわからなくなったり、紙が破れて必要な情報が読めなくなったりと、アナログな管理方法ならではのトラブルが考えられます。

紙をコピーすればバックアップになりますが、何度も繰り返すと劣化してしまい、原本が紛失して参照できなくなるケースも少なくありません。また管理が徹底されていないと、図面の紛失だけでなく、目的の図面を探し出せないといった課題も生じます。これによって「すでに存在している図面を何枚も作成する」といった非効率な業務が発生する可能性も高まるため、管理方法を見直す必要があります。

履歴管理と出図(手配)によるトラブル

図面管理を適切に行いたいのならば、図面のバージョン管理(履歴管理)も意識しなくてはなりません。紙の図面でもCADデータでも、最新版がどれかが一目でわかるようにしていないと、古いバージョンの図面を取引先に送ってしまうといったトラブルを招く可能性があるためです。

誤発注や設計ミスを生じさせないためにも、バージョン管理の徹底は欠かせません。履歴管理はコンピュータが得意とする領域のため、紙の図面を使った管理方法よりも、データ化してコンピュータ上で一元管理する方法を選ぶほうがバージョン管理をしやすくなります。

図面がうまく探せないという課題

前述したように図面管理の目的のひとつは、必要な図面にすばやくアクセスできるようにすることです。最新の図面がどこにあるのかわからなかったり、参考にしたい過去の類似図面が見つけられなかったりすると、多重製図や設計ミスなどを引き起こす事態を招いてしまいます。検索性に優れたコンピュータ上で図面データを管理すれば、こうした課題の解決が可能です。また、ファイルの命名やフォルダ分けのルールを統一しておけば、目的の図面データを容易に見つけられるようになります。

図面がうまく探せずに困っているビジネスパーソン

より効率的に管理したいのならば、検索性やバージョン管理の機能が充実している図面管理システムを導入するといった選択肢も有効です。

図面管理の属人化によるトラブル

他の項目でも言及しましたが、図面をデータ化して管理する場合には、ファイルの命名やフォルダ分け、バージョン管理などのルールを策定し、図面を利用するすべてのユーザーが遵守することが大切です。

とはいえ、共通ルールの策定は簡単なものではなく、部署ごとの図面担当者が個別にルールを策定してしまい、部署間での共有に支障が出るといったケースも珍しくありません。また、担当者ごとにルールの解釈が異なり、“自分ルール”で保存していった結果、他のユーザーが必要な図面を探し出せない“属人化”が起きることもあります。図面管理システムを導入すれば、組織間をまたいだ共通ルールを容易に適用させることができます。

図面管理システムとは?

図面管理システムは、図面や関連する設計資料などを一元管理できるシステムです。設計から生み出される成果物をコンピュータで処理することで、効率的に管理し、属人的要素を排除する機能を有しています。また、紙図面やCAD 、Office、PDFなど多様なフォーマットの図面を一元的に管理することが可能で、検索や共有にも長けているため、複数ユーザーでの作業にも向いています。

加えて、効率的なバージョン管理も行えるため、多重製図や設計ミスも防ぐことも可能です。なお、図面管理システムには、オンプレミス環境で運用するタイプやクラウドサービスとして提供されるタイプ、さらに製造業向け、建設業向けなど業種に特化したタイプなどさまざまな種類があり、自社の業務や環境に合わせて選択することができます。ちなみに、図面管理システムと同じような機能を備えたソリューションとしては文書管理システムがありますが、こちらは文書の管理に特化したもので、図面の扱いには向いていないため注意が必要です。

図面管理システムを活用するメリット

図面管理システムを導入するメリットは多岐にわたります。部署ごと、プロジェクトごとに個別で管理されていた図面データを1つのシステムに集約することで、効果的な図面データ管理・活用が可能となります。また図面と関連資料をすべてデータ化して管理することで、ペーパーレス化のメリットも享受でき、印刷コストの低減や紙の図面を保存する場所の削減効果も期待できます。

図面管理システムの活用メリット

さらに検索機能や履歴管理機能も充実しているため、「必要な図面を見つけるのに時間がかかる」「最新バージョンがどれかわからない」といった課題解決にも役立ちます。部署間の連携もスムーズに行えるため、業務の効率化や新たなビジネスの創出にも大きな効果を発揮してくれるでしょう。もちろん、図面データの集約化は、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)にも有効です。データ利活用を促進したい企業にとって、図面管理システムを導入する価値は大いにあるはずです。

図面管理システムの機能

製品によって違いはありますが、図面管理システムにはさまざまな機能が搭載されています。たとえば、紙の図面をデジタル化するためのスキャン機能や変換機能をはじめ、策定したルールに合わせた自動採番機能やプレビュー機能など、図面管理を効率化するための機能が実装されています。また、関連するデータの一括印刷機能を備えた製品もあり、紙の図面が必要なケースにも柔軟に対応できます。もちろん、検索機能やバージョン(履歴)管理機能も充実しており、類似の図面を簡単に探し出せる機能を備えた製品もあります。

図面管理システムの機能例

さらに図面比較機能を使って変更箇所を確認したり、承認ワークフロー機能で業務の円滑化をはかったりすることも可能です。これらの機能を活用すれば、図面を用いたあらゆる業務を大幅に効率化できます。加えてセキュリティ機能も充実しています。部門ごと、役職ごとにアクセス制限を設定したり、アクセスログ機能で情報漏えいに対応したりと、企業の財産である図面データを安全に活用するための仕組みが備わっているのも図面管理システムのポイントです。

図面管理システム選定時のポイント

図面管理システムの導入を検討する場合には、自社の業務に必要な機能を備えた製品を選ぶことが重要となります。選定のポイントとして、まず検討したいのがオンプレミス型かクラウド型かという点です。機能性を重視したい企業や、自社内でシステムを管理したい企業にとってはオンプレミス環境に構築するタイプのシステムが好適です。一方、各拠点や社外のパートナー企業とのデータ共有を円滑化したいという企業や、システムの管理負荷を軽減したい企業にとっては、クラウド型のシステムが有効な選択肢となるでしょう。

次に、必要十分なセキュリティ機能を備えているかどうかも見逃せない比較ポイントです。アクセス制御や印刷制限、持ち出し制限といった機能をはじめ、情報漏えいインシデントが発生した際のトレースが行えるアクセスログ機能を備えているかも重要です。図面データの漏えいは企業の存続に関わる危険性もはらんでいるため、セキュリティ機能が充実した図面管理システムを選ぶことが不可欠です。さらに自社の業務要件に合わせたカスタマイズが行える拡張性や、社内にある業務システムとの連携機能なども確認しておくとよいでしょう。

日立ソリューションズ西日本 製品担当者からコメント

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図面を管理するということは「採番されてから廃図になるまで」の一連の業務を管理・支援する機能が必要になります。また、「検索・表示」、「検図・承認」、「出図」といった業務プロセスを管理する機能や、「専用ビューア」、「図面比較」といった目視作業を支援する機能も欠かせません。
なお、図面管理システム構築においては、「図面番号」、「改訂番号」、「変更番号」といったキー情報と、それらを管理する「属性」情報の標準化とクレンジングが重要です。

日立ソリューションズ西日本
「Hi-PerBT Advanced 図面管理」の機能紹介

「Hi-PerBT Advanced 図面管理」の利用イメージ

日立ソリューションズ西日本が提供する「Hi-PerBT Advanced 図面管理」は、製品の設計図面管理業務を効率化する機能を網羅した図面管理システムです。自由度の高い図面検索機能やデータ・履歴管理機能に加え、図番採番、文字重畳、照査承認ワークフロー、原寸印刷、一括印刷、配付受領、廃図処理など多様な機能を実装しています。

また、メーカーを問わずあらゆるスキャナ・複合機・プリンタを利用でき、紙図面のデータ化も容易に行えます。さらに基幹システムやCADソリューションなどとのシステム連携に対応しているほか、AIによる図面検索など先進技術も積極的に取り込まれているのも特徴のひとつです。直感的なユーザーインターフェイス(UI)を採用しており、ITスキルが高くなくても使いやすい仕様となっています。

「Hi-PerBT Advanced 図面管理」の特長

なお、システムは、オンプレミス型、AWSなどを利用したクラウド型の双方で構築可能です。柔軟なカスタマイズが行え、企業それぞれの要件に対応できるソリューションとなっています。

日立ソリューションズ西日本 製品担当者からのオススメ!

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弊社は30年にわたり、日本の製造業のお客さまの、設計業務を改善する図面管理システム構築をお手伝いしてきました。そのノウハウを結集したのが「Hi-PerBT Advanced 図面管理」です。
お客さまからよく聞く課題としては、

  • 紙図面が多く電子化されていないため、属人化から脱却できず、業務効率があがらない
  • 電子化したが単純なフォルダ管理であり、ルールも厳守されておらず、検索効率・情報精度(的確な版管理)があがらない
  • 図面管理システムを導入したが、業務検討が不十分で適合率が低く、使いこなせていない

などがあります。
弊社はお客さまに最適な図面管理システムを共に考えます、ぜひ一度ご相談ください。

日立ソリューションズ西日本 製品担当者アイコン

自社に最適な図面管理システムの導入で、
業務の効率化とトラブル解決を

図面管理業務の効率化は、製造・建設といったモノづくりに携わる企業にとって重要なミッションといえます。図面をデータ化し一元管理できれば、業務の効率化や情報共有の迅速化、セキュリティの強化など多くのメリットを享受できます。自社に最適な図面管理システムを選択することで、図面管理を行う上での課題やトラブルを解消できるはずです。