- サイトトップ
- Hi-PerBT Advanced 図面管理
- 図面管理コラム
- 図面の電子化とは?メリットや導入方法、注意点を解説!
図面の電子化とは?
メリットや導入方法、注意点を解説!
紙図面の問題点と電子化により得られるメリットを解説します。電子化する際の正しい手順から注意すべきポイント、電子化の恩恵を最大化する図面管理システムの導入までを詳細にご紹介します。
モノづくりの核となる「図面」の効率的な管理は、製造業・建設業において非常に重要なタスクです。紙を用いた従来の図面管理から脱却し、製品設計・開発の効率化をはかるには、「紙図面の電子化」が有効な手段となります。本記事では、紙図面の問題点と電子化により得られるメリットを解説。電子化する際の正しい手順から注意すべきポイント、電子化の恩恵を最大化する図面管理システムの導入までを詳細にご紹介します。
-
Hi-PerBT Advanced 図面管理・図面検索AI カタログ
PLM領域で製造業DXを推進、Hi-PerBT Advanced 図面管理・Hi-PerBT 図面検索AIのカタログです。
資料ダウンロードはこちら
製造業のための図面管理システム、図面のデジタル化でDXを加速! -
図面探しのムダを一掃!業務効率が飛躍的に向上する「図面検索AIシステム」
製造業を含むあらゆる業種で、AI・IoTの積極的導入によるDXが進められている。目的は、生産効率や業務効率の向上。その一環として、今回注目したいのが「過去図面の活用」だ。過去の製品設計による部品図や加工図、あるいは・・・
資料ダウンロードはこちら
紙図面の問題点
製造業や建設業の現場では、依然として紙の図面を用いて開発・設計の成果物を管理しているケースが少なくありません。設計図面や建設図面は必要に応じてすぐに確認できることが重要ですが、紙を用いた管理には円滑な図面活用を妨げる課題が多数存在します。
保管スペースの確保
紙図面と関連文書・資料は、製品やプロジェクト、顧客などの単位でファイリングし、書庫などに保管しておく必要があります。しかし、大量の紙図面の保管スペースを維持・確保することは容易ではなく、保管スペースの賃料をはじめ、キャビネットなどの備品コストもかさみます。また、紙図面の増加ペースが想定よりも早く、保管スペースが足りない事態が発生したとしても、すぐに倉庫を拡張して対応することは物理的に難しいといえます。
検索における非効率性
図面は単に保管しておけばよいわけではなく、必要な図面を迅速に探し出し、新たなプロジェクトや製品開発に活用できる仕組みが欠かせません。図面の検索には、図面番号を用いる手法が一般的ですが、紙図面では1枚1枚図面を開いて確認する必要があり、検索性に問題を抱えています。これは、図面名称や型式で検索する際も同様です。また、履歴を管理している図面の場合には、常に最新版かどうかのバージョン確認も求められます。紙というアナログなメディアを用いるかぎり、目的の図面にたどり着くまでに多くの時間を費やしてしまうことになるでしょう。
共有プロセスの煩雑さ
製品設計・開発の現場では、関連する部署間におけるタイムリーな図面共有が重要です。情報が変更・追加されるケースも多いため、常に最新のバージョンであることを確認する仕組みがなければ、手戻りや不具合が発生してしまいます。最新版の図面を関連部署に配付(出図)する際、紙図面では印刷・コピーし、出図印をスタンプ、紙折りし封筒に入れて発送するなどの工数と時間がかかり、人的負荷の増大をはじめ、印刷・輸送コストの増加、配付ミスなどのヒューマンエラーの発生といったリスクが顕在化します。
劣化・破損・紛失のリスク
紙を用いた図面管理では、湿気や汚れなどによる経年劣化や破損のリスクも生じます。また、盗難や持ち出しにより、図面が紛失する事態も起こり得ます。加えて、必要なときに必要な図面を参照できなければ、製品開発に遅延を招く可能性も高まってしまいます。こうしたリスクに対処するためには、紙図面の品質担保や盗難防止、持ち出しの管理を徹底する必要があり、バージョン管理までを含めると、相当な手間とコストがかかります。
情報セキュリティにおける脆弱性
製造業や建設業にとって、図面や関連文書は重要な情報資産であり、社外秘の機密情報が含まれているケースも少なくありません。紛失や不正持ち出し、盗難や盗み見によって、機密情報が漏えいしてしまう可能性が否めません。また、悪意ある第三者により改ざんされるリスクもあるなど、セキュリティ面でも課題が山積しています。運用ルールを厳格化し、物理的な盗難・改ざん防止対策を講じる必要があります。
図面の電子化とは
紙図面での管理によって生じる課題の解決に有効な手段が「電子化」となります。紙図面の電子化は、製造DX・建設DXを実現するための上流工程に位置付けられ、紙に出力された図面を、PDFやTIFFといったファイル形式のデジタルデータに変換し、決められたルールに基づき、保存・管理を行うことを意味します。紙図面の電子化によって、効率的な管理が可能となり、図面の差し替えや情報の追加などにも柔軟に対応できるようになります。前述した紙図面管理の課題解決はもちろん、近年のビジネストレンドとなっている“データ利活用”の促進においても非常に効果的なアプローチといえます。
図面を電子化するメリット
保管スペースの削減や検索性の向上、バージョン管理の効率化といった紙による管理で顕在化していた課題の解決はもちろん、ペーパーレス化による環境負荷の軽減(紙資源の浪費抑制)やBCP対策など、紙図面の電子化(データ化)によるメリットは多岐にわたります。
保管スペースの削減
紙図面の電子化によって物理的な保管スペースの確保が不要になり、保管場所の賃料や、キャビネット・書庫といった設備・備品にかかるコストを削減できます。電子化された図面はPCやサーバーのストレージに保存されるため、図面の数が増えても容易に対応が可能です。また、電子化によって空いた保管場所を、コミュニケーション空間などに再活用すれば、生産性向上につながるスペースとして役立てることもできるでしょう。
検索性の向上
図面管理業務の煩雑さが解消され、工場内や営業所のPCやスマートフォンなどのモバイル端末から図面を閲覧・管理できるようになります。さらにファイルや保存フォルダなどの命名規則や運用ルールを策定しておくことで検索性も飛躍的に向上します。キャビネットを開けて、ファイリングされた図面を開いてといった煩雑な作業は不要となり、場所を問わず、必要な図面を簡単に見つけ出すことが可能です。製品設計・開発に携わるすべての担当者に業務の時短効果が期待できます。
タイムリーな情報共有
製品設計・開発に関連する社内の部署、および社外組織との情報共有もスムーズに行えます。紙図面や関連資料のコピー・封入・郵送といった手間が不要となり、共有にかかる時間も大幅に短縮。その結果、関連部署や取引先・外部パートナーとの密接な連携が可能となり、業務効率の向上にも寄与します。また設計変更情報もタイムリーに共有できるため、バージョン違いの図面が共有されてしまうリスクも軽減。製造工程でのトラブルや手戻りの防止をはかれます。
劣化・破損・紛失のリスクを軽減
紙の図面で問題化していた劣化や破損のリスクも、電子化によって防ぐことが可能です。電子化された図面は印刷して再度スキャナで電子化を行わない限り品質が担保され、コピーを繰り返しても劣化は起こりません。また地震や火事といった災害時においても、サーバーに保存した図面をクラウドサービスにバックアップしておけば、紛失や消失のリスクを最小化できます。BCP対策の観点においても紙図面の電子化は有効な方法といえます。
情報セキュリティの強化
図面の電子化により、情報セキュリティの強化も可能となります。アクセス権限を適切に設定することで、権限を持たないユーザーの図面の閲覧やコピーを防止し、情報漏洩のリスクを低減できます。また、システムログを残すことで改ざんの防止にも寄与します。組織の変更やユーザーの入れ替えに左右されないルールを策定しておけば、よりも強固なセキュリティ体制を構築できます。
図面を電子化する際の注意点
紙図面による非効率な管理方法を継続していると企業の競争力低下を招く可能性があり、図面の電子化はまさに急務といえます。図面の電子化にあたっては、ファイルの命名規則やフォルダの分類ルールなどをはじめ、注意すべきポイントが複数存在します。
適切な運用管理
紙図面による管理でファイリングの方法やキャビネットへの収納規則を定めていたのと同様、図面の電子化においても運用・管理のルール策定が重要となります。ファイルの命名規則やフォルダの分類ルールを明確化しないまま電子化を推進すると、部署や担当者ごとに独自ルールで運用するいわゆる属人化した事態に陥り、検索精度の低下やバージョン管理の不具合といった問題が発生する可能性が高まります。
紙のサイズや種類に合わせたスキャン
電子化を行うには、スキャナなどを用いて紙図面をスキャンし、PDFやTIFFなどのファイル形式で保存する必要があります。その際、「どのファイル形式で保存するのか」「どの程度の解像度でスキャンするのか」など決めておくべき事項は多く、運用ルール作りと合わせて詳細を詰めていくことが欠かせません。また、図面は用紙サイズが大きいものも多く、保管している紙図面によっては大判対応のスキャナなど、特殊な機器も必要になります。なお、社内での電子化も可能ですが、早期に電子化をはかりたい場合、電子化代行業者への一括依頼することも有効な選択肢のひとつです。
情報漏洩リスクの抑制
スキャンした図面データを社内サーバーに保存しているだけでは、誰でも容易に閲覧・持ち出しができてしまうため、情報漏洩のリスクが増大してしまいます。このため、電子化にあたっては図面の共有ルールを策定し、アクセス権限を付与しておく必要があります。また運用においても、システム管理やデータ入力の担当者を明確化し、セキュリティリスクの最小化をはかることが大切です。
原本を一定期間残す
製造や建設の現場で用いる図面は、製造物責任(PL)法や建築業法によって定められた期間の保存義務が生じます。紙図面をスキャンした際、劣化などの要因により見読性が低いデータになってしまい、再度電子化しなければならないケースもあるため、電子化してすぐに原本を廃棄するのは避けたほうが安全でしょう。保管スペースを早期に解放したい場合は、保管専用の外部倉庫を一時的に利用するという方法も有効です。ただ、元のCADデータが残っているのならばCADから変換できるため、出力した紙図面は廃棄しても大きな問題はないでしょう。また紙図面を廃棄する際には、情報漏洩防止や工数削減の観点から、シュレッダーではなく溶解処理を選択することをおすすめします。大量の紙図面でも短時間で廃棄することができ、コストの削減がはかれます。
図面電子化を導入する流れ
紙図面の電子化によるメリットを最大化するためには、正しい手順で進めることが重要です。ここからは、図面を電子化する流れについて、それぞれの作業で注意すべきポイントも踏まえて解説していきます。
図面の選定、ファイル形式やフォルダ構成などの確認
図面電子化に取り組むうえで、まず着手したいのはファイル名の命名規則やフォルダ構成といった図面管理の規則を策定することと、図面のファイルフォーマットを決めることです。あらかじめルールを明確化しておけば、部署ごとの独自ルールで運用されるリスクを抑制し、電子化すべき図面としなくてもよい図面を整理できます。フォーマットに関しては、モノクロ/単一ページはTIFF、カラー/マルチページはPDFと、図面に合わせて使い分ける方法も有効です。
スキャン作業
事前に策定したルールに則り、解像度とカラーを設定して紙図面をスキャンします。解像度によってファイルサイズや品質は異なり、スキャン後に解像度を上げることは不可能(再スキャンが必要)なため、可能であれば400dpi程度の解像度でスキャンしておくと安心です。前述したとおり、図面のサイズによっては高額な大判対応のスキャナが必要になります。また観音製本された図面など、特殊な形態の図面は手置きスキャナやブックスキャナといった専用の機器でないと対応できないこともあり、スキャンの難易度も上がります。このため、保管している図面によっては、高品質なスキャニングを専門とする代行会社に電子化を依頼するという方法も有効です。
OCR処理
スキャンした図面は画像データとして保存されるため、図面内の文字を参照することができません。このため、OCR処理を行い、画像データに含まれる文字をテキストデータ化しておく必要があります。ファイル名だけでなく、図面内の文字を検索することができるようになり、検索精度の向上がはかれます。図面データ全体からテキストを抽出するだけでなく、取得したい情報が記載されている箇所を指定して自動判定でテキストを抽出することも可能となります。
メタデータの付与
大量の図面を電子化していくと、ファイル名だけで検索するのは難しくなります。データベース化を行い、図面番号や作成者、作成日、改訂来歴といったメタデータを適切に付与しておけば属性検索が可能となり、検索精度の向上を実現できるほか、管理もしやすくなります。適切な属性を設定しておけば、最新バージョンの図面や類似図面を探し出すことも容易になり、さらなる業務効率化がはかれます。
運用体制の明確化
他の項目でも言及していますが、紙図面の電子化にあたり、運用ルールの策定と運用体制の明確化は必要不可欠です。ファイル名の命名規則やフォルダ構成といったルールは検索性に直結し、アクセス権の定義はセキュリティ強化につながります。またシステム管理やデータ入力を行う担当者を定めて社内に公開しておくことで、図面データのバックアップや問い合わせ対応といった役割分担が明瞭化され、ガバナンスの効いた運用体制が構築できます。こうした運用面の施策も含め、効果的な図面電子化を推進したい場合、図面管理システムの導入が有効なアプローチとなります。データベースの構築をはじめ、各種検索機能や属性情報の付与機能、履歴管理、権限管理、ワークフローなど、策定したルールに則った運用を実現するための機能が搭載された図面管理システムを選定することで、運用の効率化とコストの削減効果が見込めます。
日立ソリューションズ西日本 製品担当者からコメント
その他、図面の電子化によって以下の二次的効果を得られます。
- 海外拠点を含む各工場へのタイムラグの無い同時出図
- 各拠点からのデザインレビュー参加
日立ソリューションズ西日本 「Hi-PerBT Advanced 図面管理」「Hi-PerBT 図面検索AI」の機能紹介
日立ソリューションズ西日本が提供する「Hi-PerBT Advanced 図面管理」は、モノづくりの中核を成す設計図面の管理を効率化するために開発された図面管理システムです。
多様なスキャナ・複合機に対応しており、紙図面の電子化を推進。定められたルールに合わせた図番採番をはじめ、自由度の高い検索機能や履歴管理機能、原寸印刷・一括印刷機能など、図面を活用するための機能を網羅しています。また、ITスキルに関わらず利用できる直感的なユーザーインターフェイス(UI)を採用しており、企業それぞれの要望に合わせた柔軟なカスタマイズにも対応しています。さらにAI類似図面検索システムである「Hi-PerBT 図面検索AI」と組み合わせれば、AI技術により必要な図面を「属性・形状・仕様・記号」といった条件から瞬時に検索でき、大量の図面データの効果的な活用が可能となります。
日立ソリューションズ西日本 製品担当者からのオススメ!
図面管理・類似図面検索機能は、長年のノウハウを機能として実装化しています。量産・個別生産の双方に対応し、図面の採番から登録・承認・配付・廃図までの一連の業務を効率化でき、図面のステータスや履歴管理も容易に行えるパッケージとなっています。
また、図面を参照するためのビューア機能も標準搭載している点も特長の一つです。TIFF・PDF形式の図面を表示したあとに矩形拡大、部分拡大、縮小、全図面表示などの操作を直感的に行えるため、閲覧者はストレスなく図面を確認できます。加えて、設計変更時には、図面比較機能を用いることで、類似図面の違いを明確に把握でき、設計業務の効率化と品質向上を実現可能です。
なお、類似図面検索では、AIが対象図形を自動認識し、ナビゲーションを通じて検索を支援します。これにより、作業者の熟練度に依存せず、誰でも簡単に類似図面の探索が可能となります。弊社はパッケージの提供にとどまらず、業務改善提案をはじめ、運用ルール策定支援、導入後のサポートまでのサービスを一貫して提供することで、質の高い図面管理システムの構築を支援します。
紙図面による非効率な管理から脱却し、大切な情報資産である図面データの効果的な活用を
現代のビジネスで競争力を維持するためにはデータ利活用が不可欠といえます。紙図面の電子化には多くのメリットがありますが、単に紙をデータに置き換えるだけでは大きな効果は期待できません。ルールの策定や運用体制の構築といった土台作りからスタートし、正しい電子化に取り組みましょう。
-
Hi-PerBT Advanced 図面管理・図面検索AI カタログ
PLM領域で製造業DXを推進、Hi-PerBT Advanced 図面管理・Hi-PerBT 図面検索AIのカタログです。
資料ダウンロードはこちら
製造業のための図面管理システム、図面のデジタル化でDXを加速! -
図面探しのムダを一掃!業務効率が飛躍的に向上する「図面検索AIシステム」
製造業を含むあらゆる業種で、AI・IoTの積極的導入によるDXが進められている。目的は、生産効率や業務効率の向上。その一環として、今回注目したいのが「過去図面の活用」だ。過去の製品設計による部品図や加工図、あるいは・・・
資料ダウンロードはこちら

