- サイトトップ
- Factory-ONE 電脳工場MF
- 生産管理システムコラム
- 工程管理システムとは?機能やメリット、選び方までを解説
工程管理システムとは?
機能やメリット、選び方までを解説
製造DX(デジタルトランスフォーメーション)実現の鍵を握る「工程管理」のシステム化に着目。
工程管理システムが実装する機能から、導入により得られるメリット、
製品選択における注意点などを紹介します。
時代の変化に対応できないレガシーシステムは、ビジネスの競争力を維持するうえで足かせとなります。特に紙・Excelベースで管理する工程が多く属人化が進行しやすいモノづくりの現場においては、システム刷新によるレガシーからの脱却が急務といえます。本記事では、製造DX(デジタルトランスフォーメーション)実現の鍵を握る「工程管理」のシステム化に着目。工程管理システムが実装する機能から、導入により得られるメリット、製品選択における注意点などをご紹介します。
工程管理システムとは?
業務においてマニュアル操作や経験と勘による判断が根強く残る“モノづくり”の領域において、DXの取り組みは優先度の高いタスクといえます。なかでも注目されているのが、「工程管理」のシステム化です。
工程管理とは、製造業において重要な要素であるQCD、すなわち「品質(Quality)」「コスト(Cost)」「納期(Delivery)」を最適化するための手法のこと。この工程管理業務を効率化するのが「工程管理システム」です。工程管理システムを導入することで、製品の製造工程をプロジェクトとして落とし込み、定められた納期やコストを守りながら、品質を維持するための進捗管理が行えるようになります。
ビジネスのグローバル化が進み、企業のプロジェクトが大型化していく傾向が見られる昨今、品質低下はもちろん、納期遅延やコスト超過は企業の存続を揺るがす要因となりかねません。その意味でも工程管理の重要性は高まり続けており、工程管理システムの導入はまさに急務となっています。また近年では、企業活動のオープン化が求められるようになり、作業配分やコストの最適化などを「見える化」する必要が出てきました。工程設計から進捗状況までをデータ化して管理できる工程管理システムは、こうした業務の可視化にも効果を発揮します。
工程管理システムを導入すれば、現代の製造業に求められる「多品種少量生産」や「短納期生産」が可能となり、生産性向上やリードタイムの短縮を実現できます。工程管理には、ガントチャートやネットワーク図(各工程の関係を図示化したもの)などの工程管理表や、コストや作業時間などを図示する累積グラフなどが用いられます。Excel(表計算ソフト)を用いて工程管理を行っている企業も少なくありませんが、専用のシステムを導入すれば、より効率的な管理が可能となります。QCDを最適化し、組織を横断した大型プロジェクトを成功に導きたいのならば、工程管理システムの導入は有効な一手となるはずです。

工程管理システムの主要機能
工程管理システムには、工程管理業務を効率化するための機能が多数搭載されており、導入によって企業は多くのメリットを享受できます。まずは、その主要機能について説明していきます。
-
工程管理機能
その名が示すとおり、工程管理システムの中核を成す機能です。生産計画に基づき、生産設備や人員の配置、資材調達といった工程を管理し、納期の遅延を防ぎます。工程管理機能で工程計画の立案(Plan)、実行(Do)、評価(Check)、改善(Action)までのPDCAサイクルを回すことで、生産性と品質を向上させQCDの最適化をはかれます。
-
進捗管理機能
工程計画の進捗状況を管理するための進捗管理機能も、工程管理システムにおいて重要な役割を担います。ガントチャートやネットワーク図などを用いて、作業指示や実績といった計画の進捗状況を可視化。現場で実績を入力するための機能も用意されており、システムにアクセスするだけで、リアルタイムでの進捗状況把握が可能となります。ガントチャートの作成も容易になるため、これまでExcelを使って工程管理表を作成していた管理者の負荷も大幅に軽減できます。
-
受発注管理機能
受発注業務における一連のデータを管理する受発注管理機能を搭載している工程管理システムもあります。見積から受発注、検収、出荷、請求までの情報を集約することで効率的な管理を実現。受注に基づいた発注(手配)や納品リードタイム、在庫数などを一元管理することで、納期を遵守した生産が可能となります。また、業務のペーパーレス化にも有効で、データ登録時の入力ミスや記載漏れといったトラブル防止にも寄与します。
-
コスト管理機能
QCDの「C(Cost)」を管理するための機能で、生産計画で発生するコストおよび利益の可視化によって、収益の最適化、すなわち利益向上を支援します。過去の生産計画の実績を基に、無駄なコストを明瞭化・削減することで、品質を落とさず、納期を守りながらコストの最適化がはかれます。継続的にビジネスを展開したいという企業にとって、非常に重要な機能といえるでしょう。
-
生産スケジューラー
生産設備や人員といったリソースを割り当て、工程ごとの計画を立案するための機能です。製品の生産スケジュールを最適化することで各工程の待ち時間を減らし、リードタイムの短縮を実現。管理者だけでなく、作業に関わるすべての従業員ともスケジュールの共有が可能です。多品種少量生産の需要が増加するなど、近年では生産計画の複雑化が進んでおり、生産スケジュールを管理できる本機能の重要性は高まっています。
-
分析機能
工程管理システムには、集約した情報を分析・評価するための分析機能が備わっているタイプもあります。現場で入力した実績やプロジェクトの進捗をリアルタイムに分析できるほか、過去のプロジェクトとの比較も可能。さまざまな角度から経営判断に必要な指標を分析できるようになるため、データ分析に基づいた経営の意思決定をめざしている企業にとっても極めて有用な機能となるはずです。
工程管理システム導入のメリット
工程管理システムの導入メリットは多岐にわたります。生産計画の柔軟な変更や、管理者および現場担当者の負荷軽減、そしてコストの削減や品質管理の向上など、導入によるメリットについて確認していきます。
-
「見える化」による進捗状況の明確化
進捗管理機能を用いて生産計画の進捗状況を「見える化」し、各工程に関わる管理者・現場担当者で共有できることは、工程管理システム導入の大きなメリットです。進捗状況の明確化によって、必要な人員・資材を容易に把握でき、修正や調整の指示も遅延なく行えるようになります。特に現場のホワイトボードやExcelファイルで進捗管理を行ってきた企業にとって、システム化の恩恵は計り知れないものがあります。電話で問い合わせたり、現場に赴いたりすることなく、事務所にいても最新の進捗状況が確認可能となるため、管理者の負荷は大幅に軽減。現場での実績入力も容易となり、現場担当者は本来の業務に注力できます。
-
作業効率の向上と人為的ミスの削減
工程管理システムを導入すると、紙やExcelを使った工程管理と比べて現場の作業は大幅に効率化されます。進捗管理機能を用いてスケジュールどおりに計画を進められるだけでなく、リアルタイムに各工程を確認できるので無駄な作業や待ち時間も見つけ出せます。その結果、作業時間の短縮はもちろん人員配置の最適化もはかることができ、作業効率向上が見込めます。さらにトラブル発生時の対応も迅速に行えるほか、書類の提出忘れや誤入力、記入漏れといった人為的なミスも早期に発見でき、リスクの軽減にもつながります。また、タブレットやスマートフォンなどのモバイルデバイスからの実績入力に対応した工程管理システムも増えてきています。
-
コスト削減と品質管理の強化
工程管理システムを導入して作業効率を向上させると、納期の短縮や人件費の抑制によるコスト削減効果も期待できます。また、人為的なミスも抑制できるため、品質管理の強化にも有効です。加えて、システム上に蓄積された過去のプロジェクトを参照することで、各工程の熟練作業者が培ってきたノウハウの共有も可能。さらに、これらを振り返り標準化することで、安定した品質でコスト削減や納期短縮を実現できます。このように工程管理システムの導入は、製造業で極めて重要なQCDのQ(Quality)とC(Cost)の最適化にも大きな効果を発揮してくれます。
-
顧客満足度の向上
現代のビジネスにおいては、顧客満足度の向上、いかに高い付加価値を顧客に提供できるかが重要となります。ここまで解説してきたように、工程管理システムを導入するとQCDの最適化がはかれ、顧客からの信頼を高める効果が期待できます。また製品の工程情報が集約されるため、製品を購入したユーザーからの問い合わせにも迅速な対応が可能となるでしょう。さらに蓄積されたデータの分析は、市場のニーズを汲み取った製品開発にも活きてきます。総じて、工程管理システムの導入は顧客満足度の向上をはかるうえで有効な一手といえます。
工程管理システムの選び方
製造業DXにおいて重要な役割を担う工程管理システムですが、多種多様なソリューションが市場に投入されており、どれを選べばよいのか悩む企業も少なくありません。ここでは製品選択のポイントについて解説していきます。

-
自社の生産方式に適合しているか
まず考慮したいのは、自社の生産方式や業種にマッチしているか否かです。製造業と一口にいっても、扱う製品は多種多様で、従業員数や設備などの規模も異なります。生産方式もさまざまで、少ない品種を大量生産する場合と、多品種を少量生産する場合では、必要となる機能が変わってきます。工程管理システムには、多品種少量生産や個別受注生産に最適化された製品や、幅広い生産方式をカバーした製品など、さまざまなタイプが提供されています。このため、自社の業種や生産方式、扱う製品の傾向を明確化したうえで、導入を検討することが大切です。
-
必要な機能を備えたシステムの選定
ここまで述べてきたように、工程管理システムには数多くの機能が搭載されています。基本となる工程管理機能はどの製品にも実装されていますが、それ以外の機能は製品によって搭載の有無が異なります。必要な機能を見極めるには、工程管理システム導入の目的、すなわち解決したい自社の課題を明らかにしたうえで、課題解決に資する機能を確認していく必要があります。たとえば受発注業務に課題を抱えている場合は、見積から請求までを一元管理できる受発注管理機能を搭載している製品、在庫調整や棚卸しを効率化したいという場合は、在庫管理機能を備えた製品を選ぶというように、機能ベースで候補を絞り込んでいきましょう。
-
生産スケジューラーの有無
工程管理システムの導入を検討する企業の多くは、製造計画の作成や、進捗状況に応じた計画変更といった作業の負荷に課題を感じているのではないでしょうか。これを解決するには、生産スケジューラーに対応した製品を選択するのが有効です。すべての工程管理システムが対応しているわけではないので、製品選定における指標の1つとなるでしょう。生産スケジューラーでは、計画や進捗状況に応じて人員・設備・資材などを割り当てられるため、急な仕様変更などがあった場合も効率的なスケジュールを策定可能です。逆に生産計画の立案や変更に関して課題を感じていないのであれば、導入コストを優先して生産スケジューラー非対応の製品を選ぶのも適切な判断です。
-
他システムとの連携確認
単なるシステム化ではなく、全社的なDX推進の一環として工程管理システムの導入を検討しているのならば、他システムとの連携性も重要な選定基準となります。すでに生産管理システムや在庫管理システムなどを導入・運用しているといった場合は、既存システムとの連携機能を持った工程管理システムを選ぶことでサプライチェーン全体を統合管理できるようになるはずです。ただし、既存システムがレガシーすぎると、連携可能な製品が見つからないケースもあるでしょう。その際は、工程管理システムの導入と併行して、既存システムの刷新をはかるというアプローチも有効です。
-
オンプレミス型とクラウド型の違いと選択
工程管理システムには、オンプレミス型とクラウド型の製品が存在します。前者は自社内、データセンター上のサーバーにシステムを構築して運用・管理を行い、後者はクラウド上に構築されたシステムをインターネット経由で利用することができます。自社独自のシステムを作り込みたい、製造に関わる情報を外部に保管したくないという場合はオンプレミス型が好適ですが、複数拠点をまたいだ工程管理を見据えるのならばクラウド型の工程管理システムを選ぶのがおすすめです。クラウド型は初期費用が抑えられ、短期間で導入できるといったメリット、オンプレミス型には自社に合わせたカスタマイズが行え、他システムとの連携にも強いというメリットがあり、自社のニーズに合わせて選択することが大切です。また、オンプレミス環境とクラウド両方での利用に対応したソリューションも存在します。
-
予算とコストパフォーマンスの考慮
導入・運用コストも工程管理システムの選定において重要なポイントです。前の項目で解説したオンプレミス型とクラウド型では、イニシャルコストとランニングコストが異なります。前者は自社のサーバーにシステムを構築する必要があるため、イニシャルコストが大きくなり、自社でメンテナンスを行う必要もあるのでランニングコストもかかります。後者はサービスとして利用できるため、システム構築は不要でイニシャルコストを抑えられます。さらに月額料金制で利用でき、ランニングコストが読みやすいというメリットもあります。自社に最適なシステムの選定を第一に考え、長期的なランニングコストも見据えて費用対効果の高い製品を選びましょう。
工程管理システム導入時の注意点
工程管理業務を効率化できる工程管理システムですが、実際に導入してみたところ、現場の負担が増えてしまったという本末転倒なケースも存在します。ここからは、導入に失敗しないために注視すべきポイントを確認していきます。
-
カスタマイズ可否の確認
どれだけ多機能な工程管理システムを導入したとしても、現場の業務に適合していなければ想定どおりの効果は得られません。たとえばExcelのマクロ機能で作り込んだ工程管理表で運用していたような場合、システム化したのに工数が増えてしまったという失敗例も存在します。こうした事態を回避するには、あらかじめ自社に合わせたカスタマイズが可能なことを確認しておく必要があります。特にクラウド型の工程管理システムの場合、柔軟なカスタマイズが行えないケースがあるので注意しましょう。カスタマイズ性の高いシステムならば、市場のニーズが変化した場合も迅速に対応でき、持続的なシステム運用が可能となります。
-
導入後のスタッフトレーニングとサポート体制
工程管理システムに限った話ではありませんが、システムは導入すれば終わりというものではありません。新しいシステムを導入する際には、従業員が適切に運用できるような環境の整備が大切です。特にモノづくりの現場は、システムを利用するのが必ずしもITリテラシーの高いスタッフとは限らないため、導入後のスタッフトレーニングは欠かせません。また、運用開始後に表面化した課題に対処できるサポート体制の構築も必要です。工程管理システムを現場に定着させたいのならば、導入後のサポートが充実したソリューションを選びましょう。
-
運用開始前のテストと評価
オンプレミス型、クラウド型を問わず、システムを導入した際には、運用開始前にテストを実施し、トラブルシューティングをしておくことが重要です。特に生産工程すべてに関わる工程管理システムでは、十分なテストと評価後に本稼働を開始しなければ、大損害が生じるトラブルを招きかねません。クラウド型の工程管理システムのなかには、無料トライアルを提供しているソリューションも多いため、あらかじめテストを実施してから導入を検討するというプロセスも有効です。また、豊富な導入実績を持つシステムベンダーを選定すれば、運用開始前のテストに関しても密接な支援が期待できます。
日立ソリューションズ西日本 製品担当者からのコメント
工程管理と生産管理は厳密には異なりますが、生産管理における計画立案から出荷に至るまでに各製造工程が適切に管理されることは非常に重要となります。
弊社は、「Factory-ONE 電脳工場MF」という生産管理パッケージに独自の「製造業・自動車部品向けテンプレート」を実装しており、工程管理機能もしっかり包含しております。システム導入によってお客さまの課題を解決し、より満足いただける価値を提供致します。
日立ソリューションズ西日本
「Factory-ONE 電脳工場MF」の機能紹介
日立ソリューションズ西日本が提供する「Factory-ONE 電脳工場MF」は、製造業を中心に1,700本を超える豊富な導入実績を誇るパッケージ型の生産管理システムです。モノづくりの生産に関するあらゆる情報を総合的に管理でき、製造DXにおけるデジタル基盤として機能します。
工程管理システムとしての機能も網羅しており、業務の効率化はもちろん、品質向上、コスト削減、リードタイムの短縮といったQCDの最適化にも有効。直感的で使いやすいユーザーインターフェースを採用するほか、カスタマイズ性にも優れており、現場へのシステム定着を強力にサポートします。日立ソリューションズ西日本のPLMソリューションやSCMソリューションとのシステム連携にも対応しており、モノづくりに関わるシステム全体をモダナイズしたいという要望にも応えてくれます。
日立ソリューションズ西日本 製品担当者からのオススメ!
「Factory-ONE 電脳工場MF」は操作が簡単で馴染みやすく、シンプルでわかりやすい生産管理システム(工程管理システムも包含)を提供できます。業務の流れをパッケージに合わせていただく方法から、カスタマイズしてジャストフィットさせる方法まで、柔軟にお客さまの課題解決を実現できるところが強みとなります。また、お客さまで簡易画面を作成することも可能ですしデータも公開されますので、お客さま独自で管理帳票を整備するなど拡張性にも富んでおります。
工程管理に関していえば、1品番複数工程を持つことができ、工程ごとにLT、段取・作業時間の設定が可能です。各工程での指示、完了・未完了の進捗管理、数量実績、時間実績の管理を実現します。その他にも、ガントチャート機能では作業負荷の視覚的把握や、作業順序・設備の変更が柔軟に行え、品質管理機能では不良内容管理をして改善に繋げることが可能です。さらに、これらの実績情報を基にした、能率・効率、製品別の不良内容などの詳細な分析にも対応しています。
導入企業さまに最適な価値創造ができるパッケージであると確信しておりますので、ぜひお声がけいただければ幸甚です。
工程管理システムの導入が製造DX実現の鍵
アナログ的で属人化した業務からの脱却をはかりたい製造業者にとって、工程管理システムは極めて有効な選択肢といえます。自社の生産方式との適合性を考慮したうえで、課題解決に必要な機能が実装されたソリューションを選択することができれば、製造DXの実現に向けた取り組みは一気に加速するはずです。
-
工程管理もできる Factory-One 電脳工場MF×製造業・自動車部品テンプレートカタログ
製造情報の一元管理でデジタル基盤を構築!
資料ダウンロードはこちら
DXにおけるデジタル基盤である、生産管理システムFactory-ONE 電脳工場MFと電脳工場 製造業・自動車部品テンプレートのカタログです。
特長や機能についてご紹介しています。 -
株式会社久保田鐵工所様 事例
作業時間が3時間から10分に短縮!
資料ダウンロードはこちら
生産管理システムの統合で業務効率化と正確な在庫管理を実現 -
双葉工業株式会社様 事例
毎朝2時間の業務が不要になり、残業時間も削減!
資料ダウンロードはこちら
ボタン1つで全データの取り込みと生産管理が完成