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販売管理システムとは?
導入におすすめの企業やシステム同士の比較ポイントを紹介!

販売管理システムの基本情報をベースに、導入価値や最適なシステムを見つけるための比較ポイントなどをご紹介します。システムの導入を迷っている方や、既存のシステムを変更しようか悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください

販売管理システムは部門ごとに分かれている販売にかかわる業務を一元管理し、業務効率化を促進するツールです。企業の根幹をなす販売活動を担うシステムであるため、マッチしたシステムを導入できれば企業経営の質の向上が期待できるでしょう。ただ、自社にマッチしたシステムを選定するには、多様な視点が求められるため、これから導入するシステムの選定に苦戦したり、既存の販売管理システムの選定を失敗した過去があったりということも少なくないのではないでしょうか?

本記事では、販売管理システムの基本情報をベースに、導入価値や最適なシステムを見つけるための比較ポイントなどをご紹介します。システムの導入を迷っている方や、既存のシステムを変更しようか悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。

販売管理システムとは?

販売管理システムとは、販売にかかわる業務を一元的に管理するシステムです。「販売」と一口にいっても、受発注、出入荷、請求、入金など、そのプロセスにはさまざまな業務が関わっています。これらを一元管理し、業務を効率化するのが販売管理システムです。集計データを統合的に分析するなどして、販売全体の状況を俯瞰することができます。

  • 販売管理とは

    販売管理とは、主に販売活動にかかわる「モノ」と「カネ」の流れを管理することです。具体的には、見積や受発注、仕入、請求など、販売にかかわる全ての流れをデータで管理します。販売管理は、BtoBやBtoC、製造業や卸業に関わらずあらゆる場面で行われています。

    企業にとって販売管理は、販売活動にかかわる一連の収支情報を把握し、利益を確保するうえで重要なポイントです。たとえば、受注の傾向を把握していた場合は、過剰な在庫を抱えないよう仕入を調整することができます。

    このように、販売管理は販売活動の現状を把握するだけでなく、過去のデータを基に業務上の無駄を省いたり事業規模の拡大をはかったりするため、経営戦略にも必要な情報なのです。

  • 販売管理における課題

    販売管理システムは販売管理における課題を解決するのに効果的です。例えば、販売管理には以下のような課題があります。

    データ入力が手間
    正確な在庫把握が難しい
    見積もり書のフォーマットが取引先によって異なる場合がある
    見積もり作成から販売までの工程を一元管理できない

    以上のように、販売管理業務では手間やデータ管理の負担といった側面の課題が多く挙げられます。もし、販売管理システムを導入すれば、これらの課題は全て簡単に解決できてしまうでしょう。

    もちろん、システムを導入せずに課題を解決する方法もありますが、それを実現するためには時間をかけて仕組みづくりや運用ルール決めを行なっていかなくてはいけません。時間がかかるだけでなく、それに取り組む人材のコストなども必要となるため、最終的にはシステムを導入した方がコストパフォーマンスを高くできるケースが多いです。

  • Excelや手書きで管理することで発生する課題

    システムを利用せずに販売管理を行うには、Excelや手書きによる方法が一般的です。手書きは手間がかかるという難点がありますが、Excelに関しては計算された仕組みづくりがされていれば比較的効率よく販売管理に利用することができます。

    既にExcelの完璧なフォーマットが出来上がっており、それを利用することで「データの一元管理」や「精度の高い管理」ができるなら販売管理システムを導入する必要は無いかもしれません。しかし、多くの場合でフォーマットの計算式の変更や表記変更を定期的に行なう必要が出てくるため、販売管理の仕組み自体を調整するのに負担が大きくなる傾向があります。

    販売管理システムならそういった負担を自社で請け負う必要が無く、定期的なアップデートによって自動で更新をしてくれます。販売管理業務にベースとなる部分(Excel)のメンテナンス・アップデートが不要になる点は販売管理システムの大きな強みと言えるでしょう。

  • 販売管理システムと会計システムの違い

    お金について管理するシステムには、販売管理システム以外に会計システムがあります。会計システムはお金の動きを管理するシステムで、お金にかかわる書面(賃借対照表など)を作成するのに役立つシステムです。あくまでも会計システムは「お金の動き」を管理・把握することを目的に利用されるシステムであり、それに付随する作業などをシステム内で行なうことはありません。

    一方で、販売管理システムはお金にかかわる業務をシステム内で行なえます。例えば、請求書の発行、入金作業の自動化などがあります。つまり、販売管理システムは実務をこなすことを主としたシステムで、会計システムはお金の動きを把握することを主としたシステムであると言えるでしょう。

販売管理システムの種類

販売管理システムは大きく分けると3種類あります。自社に適した種類のシステムを導入しないと、想定している効果がでなかったり、逆に効率が悪くなってしまったりすることも考えられるので、導入を検討する前にしっかりと詳細を把握しておきましょう。

販売管理システムの種類

種類 概要
汎用型 一般的な販売管理機能を搭載しており、比較的幅広く対応しているタイプのシステムです。特化しているタイプと違って、機能同士の親和性が高いため、カスタマイズしやすい特長があります。
複数業種対応型 複数の業種に対応したタイプのシステムです。グループ会社など、幅広く事業展開をしている企業に導入するのがおすすめです。多くの場合で、業種ごとに必要な機能がパッケージ化されているため、汎用型で対応できない部分も柔軟に対応できる可能性が高いでしょう。
小規模型 在庫管理を必要としない企業向けの販売管理システムです。必要最低限の機能を搭載しているのが特長で、低コストによる導入が実現するシステムと言えるでしょう。

販売管理システムの主な機能一覧

販売管理システムは主に以下の機能から構成されています。

販売管理システムの主な機能一覧

  • 販売管理
  • 在庫管理
  • 購買管理

機能を正しく理解することで、導入後どのように利用すべきかのイメージが抱きやすくなるでしょう。もし、販売管理業務に負担を感じている場合は、それを解決できる機能があるのかも合わせて確認してみてください。

販売管理

企業は顧客から注文を受け、売上を計上して事業を継続します。このように、販売活動は事業継続の根幹です。そのプロセスには見積や受注、請求などがあり、それぞれが部門に分かれて業務を行なっています。販売管理は、こうした多岐にわたる業務を一元的に管理し、販売サイクルを円滑に回すための業務です。
システムにおける販売管理の主な機能は、以下の通りです。

見積管理

見積の入力や作成をする機能です。作成した見積データを検索したり、一覧表示したりすることもできます。過去のデータを参考にできるため、見積の作成業務の効率化をはかることが可能です。

受注管理

受注した商品やサービス情報を入力・登録し、過去の情報を検索できます。受注と発注を同時に処理することも可能です。受注・発注管理のタイムラグをなくすことができるため、自社で在庫を待つことなく仕入先から直接発送できるなど、取引の負担を軽減できます。

売上管理

売上や売掛情報を入力でき、過去の情報を検索することも可能です。また、データを集計し、ExcelやCSVで出力もできます。売上に関する情報をまとめて管理することで、売上の予測や経営計画の見直しなどに役立つでしょう。

請求・債権管理

売上データから請求書を発行します。未回収分の検索や一覧表示も可能です。入金済みの債権の消込処理もできます。債権に関する情報が可視化されるため、債権の不良化のリスクを未然に減らすことができます。

在庫管理

商品の出荷や在庫の状況を管理する業務です。受注した商品を迅速に届けることは企業の信頼性にかかわるため、サービス品質の向上という観点からも重要な業務と言えます。
正確性が求められるだけでなく、スピードも重要な要素であり、システム導入によって大幅な効率化が期待できます。
システムにおける在庫管理の主な機能は、以下の通りです。

出荷管理

受注が確定した後、出荷指示を作成する機能です。商品の在庫を確認するほか、在庫調整などのデータ管理もできます。また、データの検索も可能で、在庫の量やどこに移動したかなどの情報を把握できます。

入荷管理

入出庫数の管理が可能です。仕入管理と連携し、入荷数がわかると自動的に在庫として計上されるため、在庫管理の負担を軽減できます。

棚卸

棚卸の管理・登録をする機能です。製品によってはハンディ端末と連動でき、実在庫と実数の照合ができます。在庫精度を高めつつ、大幅な効率化を実現できるでしょう。

購買管理

自社が製造に必要な商材を仕入れる際の各プロセスを管理する業務です。どの商材をいつ、いくらで、どれくらい仕入れるかなどについて、その内容を確認しながら管理します。販売や在庫管理と統合的に管理することで、よりムダやムラのない仕入が可能になり、経営効率のアップにつながります。システムにおける購買管理の主な機能は、以下の通りです

仕入管理

発注契約締結後に仕入を確定し、在庫計上する機能です。また、仕入予定の入力もできます。販売管理システムによってデータが一元化されるため、入荷管理との連携もスムーズに行えるでしょう。

支払管理

支払消込入力や支払予定表の作成など、仕入に伴う支払の管理が可能です。支払先や支払予定の金額を管理できるため、売れ筋の商品を把握して事前に仕入れておくなど、業務上の素早い判断を行うことができます。

販売管理システムの目的

販売管理システムの導入目的には、以下の3つが挙げられます。

  • データの一元化
  • ヒューマンエラーの防止
  • 業務フローの可視化

販売管理では上記3つの目的を達成することが重要であると考えられているため、現時点で自社の販売管理業務がこれらの目的をクリアできているかを確認してください。もしシステムを導入していても3つの目的をクリアできていない場合、システムの利用方法に問題があるか、システム自体に問題がある可能性があります。その場合は、システムの利用方法の再確認か、新たなシステムへの乗り換えを検討する必要があるでしょう。

システムを導入していない場合も同様で、目的をクリアできていなければシステムの導入を検討してみてください。

  • データの一元化

    販売管理システムを導入する目的の一つとして、「データの一元化」が挙げられます。システムを導入していない場合、データをそれぞれの部門で管理していることがほとんどであるため、経営に必要な情報を把握しにくくなります。しかし、販売管理システムを導入することで、各部門でバラバラになっていた情報をまとめて確認することが可能です。
    また、データの一元化により、部門間の申し送り業務の軽減や売れ筋・死に筋商品など、業務全体を把握することができます。

  • ヒューマンエラーの防止

    販売管理システムの導入は、ヒューマンエラーの防止につながります。必要なデータを入力すれば各書類に自動で反映されるため、手書きや手打ちで起こる入力ミスを減らし、確認にかかる時間も短縮できます。

    基本的に、業務内におけるヒューマンエラーは大きなムダを生み出す要因となるため、1〜2つしか発生しないミスだとしても深刻な問題であると認識した方が良いです。ヒューマンエラーの改善は、業務工程を根本的に見直すか、人の手による作業を削減するしかないため、自社で効率的な仕組みづくりをするかシステムの導入が求められます。

  • 業務フローの可視化

    販売管理システムは、それぞれの部門の業務内容もまとめて管理できます。そのため、部門ごとの進捗が可視化され、よりスムーズな連携が可能です。また、部門間で仕入や販売を分けている場合、在庫過多を防止してコストの削減につなげられます。

販売管理システムのメリット

販売管理システムは企業にどんなメリットをもたらすのでしょうか。主なメリットとしては以下のような点が挙げられます。

  • 販売管理システムのメリット

    業務効率化・コスト削減
    属人化排除
    経営戦略が立てやすくなる
    コンプライアンスの強化

    上記メリットをしっかりと把握しておけば、導入する価値があるのかどうかを見定めることができます。もし、これらのメリットに魅力を感じないようであれば、そもそもシステムに必要性を感じていない可能性があるため、導入自体を検討しなおす必要があるかもしれません。

  • 業務効率化・コスト削減

    入力フォームや業務フローなどの共通化により、データ入力の手間を軽減できます。各部門での再入力も不要になり、二度手間三度手間の解消が可能です。販売管理システムにより各部門がつながることでデータ共有も迅速になり、業務全体が圧縮され、生産性がアップするでしょう。

    以上のように、業務が効率化すればデータ入力にかかっていた時間やデータ共有が完了するまでの時間を短縮することができるため、結果として人件費や管理コストの削減にもつながります。

  • 属人化排除

    販売管理システムなら、導入するだけでフォーマットや管理方法が統一化されるため、業務の標準化につながります。業務が標準化することで、誰でも販売管理の業務に携わることができるようになるため、業務の属人化の解消が実現するでしょう。

    もちろん、Excel管理での標準化も可能ではあるのですが、標準化するまでの道のりがとても大変なので、システムを導入した方が最短かつ効率的に標準化できます。どこにコストをかければコストパフォーマンス良く業務が効率化・標準化していくのかを考えてシステムを導入するべきかを検討してください。

  • 経営戦略が立てやすくなる

    販売管理システムの導入は、企業の経営戦略にも役立ちます。なぜなら、事業単位で販売情報をまとめることで、購入者層や商品ごとの売れ行きなど、経営に必要な情報を可視化できるからです。

    経営には、無駄なく利益を追求するために迅速な判断が求められます。販売管理システムには、部門ごとのデータを統合的に管理することで、全体の流れを把握しやすくする特長があります。製品によってはデータをグラフィカルに表示させる機能もあり、経営課題や問題点をわかりやすく可視化させることができるでしょう。

    また、過去の膨大なデータを比較分析することで、直近の課題に対する的確な施策を打てるだけでなく、中長期の経営戦略も明確にイメージしやすくなります。

  • コンプライアンスの強化

    部門の壁をこえて情報が共有されるため、ミスを減らすだけでなく、事実上、不正もできなくなり、社内コンプライアンスの強化にもつなげることができます。 また、業務の一元管理は、内部統制につながることも大きなメリットです。その結果、従業員の経営への参画意識が高まるという副次的効果も期待できます。

販売管理システムのデメリット

販売管理システムは企業に多くのメリットをもたらしますが、一方で以下のようなデメリットもあります。

  • 販売管理システムのデメリット

    導入にコスト・時間がかかる
    業務フローの刷新を伴う
    専門知識のある人材が必要

    システムを導入することによって、新たなコストが必要になったり、既存の仕組みを作り変えたりしなくてはいけません。これらのデメリットを許容しないとメリットを享受することができないため、必要な要素として把握しておきましょう。

  • 導入にコスト・時間がかかる

    販売管理システムを導入することで、導入コストや利用方法を覚えるまでの時間が必要になります。導入コストは、インターネットを利用する「クラウド型」と、自社サーバーやネットワークを利用する「オンプレミス型」のどちらを利用するかによって変化します。クラウド型は月額費用、オンプレミス型は初期導入費用が掛かるので、自社の予算に合わせて最適なものを選んでください。

    教育に関するコスト・時間については、システムの利用のしやすさに左右されます。操作性に優れたシステムなら覚えるのにかかるコスト・時間を抑えることができるため、できる限り初心者でもすぐに利用できるようなシステムを導入することを検討しましょう。

  • 業務フローの刷新を伴う

    販売管理システムの導入に伴って、業務フローの刷新が必要となるケースもあります。なぜなら、従来の業務フローから、システムありきの業務フローへの移行が必要だからです。これまで必要だった工程がなくなったり、場合によっては部門自体が不要になったりする可能性もあります。

    組織が大きければ大きいほど社内に混乱を招く可能性が高くなるため、事前に各部門にヒアリングを行い、前もって業務フローを整理するとよいでしょう。

  • 専門知識のある人材が必要

    どれほど販売管理システムが優れていても、システム自体を保守・管理できる人材がいなければ、設定や不具合への対処ができません。自社に適任者がいない場合は、外部に委託することも視野に入れる必要があります。

    もし、専門知識のある人材を確保できない場合には、クラウド型の導入を検討してみてください。クラウド型のシステムなら利用しやすいシステムが構築されているので、専門知識が無い人でも扱いやすいように作られています。また、サポート体制もしっかりしているものが多いため、安心して利用することができるでしょう。

販売管理システムの導入を検討した方が良い企業

販売管理システムは業種や会社の規模を問わず、導入できます。なかでも、多くの部品を扱う製造業や複雑な商習慣に対応する卸売業、食の安心安全、トレーサビリティを求められる食品製造業は、管理精度の向上が求められるため、導入の検討をおすすめします。

ほかにも、以下のような課題や問題点を抱える小売業、飲食業、流通業、工事業などの企業にもおすすめです。

  • 属人化している業務が多く、人材を確保しても業務効率が上がらない、情報が一元管理されていない
  • 紙やExcelでの管理が多く、情報が社内で共有されにくい
  • 請求書作成などの毎月の締め処理や、月次の資料作成に時間がかかっている
  • 担当者や部門をまたぐため、売上の集計や原価集計を行うのに多くの工数がかかっている

販売管理システムの比較ポイント

販売管理システムはさまざまな業者が提供しています。そのため、いろいろと種類があるシステムの中から自社に最適なシステムを選定しなくてはいけません。自社の問題点などを踏まえて最適なシステムを導入することができれば、業務改善や人的リソースの最適化など、十分な効果を得ることができるでしょう。コストパフォーマンスの高いシステムを導入するためにも、以降で紹介する比較ポイントは必ず把握するようにしてください。

  • 販売管理システムの比較・選び方のポイント

    自社の業種や業態に合ったシステムか
    費用対効果は問題ないか
    サポート体制は十分か
    カスタマイズが可能か
  • 自社の業種や業態に合ったシステムか

    販売管理システムは、自社の業種・業態に合ったシステムでないと十分な効果が期待できません。販売管理システムには、販売管理だけを行うものからさまざまなシステムをカスタマイズできるものまで、数多くあるため、自社に適した機能を持ち合わせたシステムを導入しましょう。

    自社に適した機能かどうかは、自社が抱える課題を解決できるかどうかが判断ポイントとなります。ですので、システムを比較する前に自社が抱える課題は明確にしておくように心がけましょう。

  • 費用対効果は問題ないか

    販売管理システムを導入する際に最も注意しておかなければならないのが、費用対効果が最大化されるかどうかです。導入しても自社の課題が解決されず、無駄になることは避けなければなりません。特に、オンプレミス型は導入後の効果も大きいですが、導入した場合のコストは高額かつランニングコストもかかります。

    そのため、導入後のコストを考慮したうえで、自社の現状や課題のヒアリングを行い、費用対効果を検証する必要があります。

  • サポート体制は十分か

    サポート体制が充実していれば、万が一操作方法がわからなくなったり、不具合が発生したりした場合でも迅速な対応が見込めます。販売管理システム自体に不具合が起きたとき、迅速に復旧できなければ、さまざまな業務に支障をきたすでしょう。

    サポート体制の充実度は、口コミなどから調査する方が効果的なので、営業担当の意見を鵜呑みにせずに客観的な視点で情報を集めてサポート体制の充実度を判断してください。

  • カスタマイズが可能か

    クラウド型の販売管理システムは導入コストを安く抑えられますが、導入後、企業の業務内容とマッチしないこともあります。そのため、自社の業務内容に柔軟に合わせられるように、カスタマイズ可能な販売管理システムを選ぶことが大切です。また、カスタマイズが可能であれば今後の課題に対応できるケースもあるため、システムを選ぶ際のポイントとして考慮する必要があります。

販売管理システムの導入方法

販売管理システムの導入方法には、「販売管理ソフトの導入」と「クラウド販売管理システムの利用」の2種類があります。単に予算や機能などを軸に選択するのもひとつの方法ですが、販売管理は企業の根幹をなす重要な業務なので、明確に導入目的を定め、その上で事業との親和性、現場レベルでの使い勝手など多様な視点を持ち、じっくり吟味して決めましょう。

場合によっては、それまでの業務フローからの大幅な刷新も伴うので、現場が混乱する可能性もあります。システム選定の過程ではそうしたリスクについても十分に考慮しておきましょう。そこまで踏み込んで初めて、経営力アップにつながる自社に最適な販売管理システムのイメージを具体化できます。

  • 販売管理ソフトの導入

    販売管理ソフトは、既製のソフトを購入し、自社の業務用PCやサーバーにインストールする方法で入手できます。あらかじめ基本機能が搭載されたフォーマットなので、まずは事業や業種の特性に合わせて基本となる製品を選定しましょう。その上で、必要な部分をカスタイマイズすることによって、仕様や使い勝手を調整していきます。

    すでに基本形は完成済みというのが販売管理ソフトの最大のメリットです。パラメーター調整による細かなチューニングは必要ですが、導入までの期間も短く、コストも比較的安価になっています。業種に特化した製品が豊富に販売されているので選定は難しくはありません。

    ただし、社内に専門知識を持つ人材がいない場合、トラブル発生時の対処などで苦心するリスクはあるので注意が必要です。

  • クラウド販売管理システムの利用

    クラウド販売管理システムは、最も手軽に導入できる販売管理システムです。システムと業種・規模などの相性さえ見極められれば、あとはベンダー側で運用のほとんどを担ってもらうことができます。そのため、クラウド販売管理システムの導入においては選定プロセスが最も重要と言えるでしょう。

    クラウド販売管理システムは、ネット環境さえ整備されていれば利用でき、料金も定額制が基本で初期費用が抑えられるため導入障壁が低いのがメリットです。また、どこからでもアクセスでき、利便性も優れています。運用をベンダーが担ってくれるため、システム系人材が不足していても安心して導入できる点もプラス要素です。

    また、クラウド型では常に最新バージョンが使えます。このことは技術の進化が速いIT領域においては競争力の観点からも大きな強みと言えるでしょう。CRM(顧客管理システム)やSFA(営業支援システム)など他システムとの連携が柔軟なものも多く、拡張性の面でも優位性があります。

    セキュリティ面の強化も進むこのクラウド型が主流になりつつあり、これから導入を検討するなら有力な選択肢のひとつと言っていいでしょう。ただし、ベンダー任せになるため、主導権はほとんどなく、コスト面でも規模が大きくなるほど高くなる点はマイナス要因と言えます。

パッケージ型とスクラッチ開発型はどちらがおすすめ?

販売管理システムには、パッケージ型とスクラッチ開発型があります。パッケージ型は既製品であり、微調整によって利用可能です。一方のスクラッチ型は自社で一からオリジナルのシステムを構築する方法です。

パッケージ型は導入までの期間が短くて大きなカスタマイズも不要なため、システムの利用を急いでる方や特別なカスタマイズを必要としない方におすすめとなっています。一方でスクラッチ型は、あらゆる側面で自社に最適のシステムを構築できるカスタマイズの自由度が強みなので、パッケージ型では機能面に物足りなさがある方におすすめのシステムと言えるでしょう。

  • パッケージ型は低コストで導入可能

    パッケージ型販売管理システムの特長とメリットは以下の通りです。

    低コスト
    導入事例がある
    すぐに導入できる

    既製品なので低コストであり、即時導入できることがメリットです。独特の商習慣や独自の入力スタイルなどがなければ、よりスムーズな導入が可能になります。また、パッケージ型といっても、業種に特化したタイプも豊富にリリースされており、選択肢は十分ですし、パラメーター調整によって望んでいるイメージに近づけることも可能です。

    一方で機能不足を補完したり、業務フローに変更があったりした場合などの対応が難しい点がマイナス要因です。必ずしも更新作業がタイムリーでないことも不安要素と言えるでしょう。

  • スクラッチ開発型はカスタマイズの必要がない

    スクラッチ開発型販売管理システムの特長やメリットは以下の通りです。

    ジャストフィットのオリジナルのシステムを構築できる
    カスタマイズ不要
    変更が自在

    販売業務は業種によって異なる点が少なくありません。独特の商習慣や特有の法令、独自の業務フローなどがある場合、既製ソフトでは業務にフィットさせることは困難です。スクラッチ型は、むしろそうした特殊性から逆算してシステムを構築できるため、全て自社に合ったオリジナルの販売管理システムの構築が可能になります。仕様変更や拡張も自在です。

    一方、一からの開発になるので、細かな要件定義が必要になり、高い専門性が必要で、時間もコストもかかります。トラブル対処はもちろん、トレンドやニーズに並走するスピード感も求められるため、専門人材の確保が不可欠となる点はマイナス要素です。

  • 両方のメリットを合わせたイージーオーダー式も

    パッケージ型、スクラッチ開発型の両方の性質を持つイージーオーダー式(セミオーダー式)の販売管理システムの特長とメリットは以下の通りです。

    比較的早く導入できる
    ある程度のオリジナリティも追求できる
    特殊事項にも対応可能

    パッケージ型の販売管理システムはある程度基本型が決まっており、利用者側が導入をイメージしやすくなっています。一方で既製ゆえに制約もあり、カスタマイズが難しいことがデメリットです。パッケージ型に自社に合ったカスタマイズを加えられるセミオーダー式は、より手軽に、そして迅速に理想に近いシステムの構築が可能です。

    いわば両者の良いところ取りをして、より効率的に自社にフィットしたシステムを構築することを可能にするのがセミオーダー型であり、そこが最大のメリットと言えます。

まとめ

あらゆる企業の根幹をなす販売業務を管理することで、経営効率は確実に向上します。販売管理システムは、その要となり得るツールだからこそ、製品選びは重要になります。製品としての完成度はもちろん、ベンダーが絡む場合は、業界知識の有無、支援体制など、あらゆる側面とすり合わせ、できるだけイメージに近い製品を選ぶことが大切です。